宮城県の代表的な水田土壌のケイ素供給能と水稲に対する新ケイ酸資材の施用効果

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シリカゲル,熔成リン肥,ケイ酸カルシウムの3種のケイ酸源からなる新規開発ケイ酸資材の肥効を宮城県内の代表的水田である,加美町(黒ボク土),大崎市鳴子温泉(黒ボク土),大崎市古川(灰色低地土),栗原市(泥炭土),登米市(細粒グライ土)の5圃揚で検討した。また,その肥効は土壌のケイ素溶出吸着特性に支配されるため,それを考慮し容量因子として評価される易溶出ケイ素量を求め,適正なケイ酸資材施用量を検討した。得られた結果は以下の通りである。5圃場の玄米収量は,5.4〜6.2Mg ha^<-1>であり,加美,古川,栗原では施用区の方が慣行区よりも収量が高かった。収穫期の水稲茎葉ケイ素含量は,登米を除いて施用区の方が4.0〜14.5%高く,また地上部ケイ素吸収量は施用区で7.9〜23.2%増加した。5圃場の水田土壌作土の易溶出ケイ素量を溶出吸着特性値法で求めたところ,栗原,登米177mg kg^<-1>>古川112mg kg^<1>>加美111mg kg^<-1>>鳴子56mg kg^<-1>の順であった。加美,鳴子,古川では従来の改良目標値140mg kg^<-1>を下回り,またすべての供試土壌で増収が期待できる改良目標値187mg kg^<-1>を満たす土壌はなく,ケイ酸資材施用の効果が期待される。作土の易溶出ケイ素量から適正な新ケイ酸資材施用量を求めたところ,加美635kg ha^<-1>,鳴子3551kg ha^<-1>,古川957kg h^<a-1>,栗原94kg ha^<-1>であった。登米は,見かけの利用率がマイナスとなり推定できなかった。これらのことから持続的な安定生産を行うためにはケイ酸資材の継続的な施用が求められる。

宮城県の代表的な水田土壌のケイ素供給能と水稲に対する新ケイ酸資材の施用効果

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