二酸化炭素放出速度を基にした家畜ふん堆肥の簡易腐熟度判定法(日本土壌肥料学会2005年度大会プログラム)

概要

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堆肥のCO_2放出量に着目し,現場対応型の簡易な家畜ふん堆肥の腐熟度判定法を開発した。宮城県内の堆肥センターから採取した畜種や熟度が異なる18種類の家畜ふん堆肥を供試した。CO_2放出速度が腐熟度判定の指標となり得るかについて,腐熟度判定の指標とされているBODとコマツナ発芽率により検討した。堆肥を培養して発生したCO_2をNaOHに吸収させ,HClで滴定して求めたCO_2放出速度は,BODとr=0.829の高い相関を示した。また,CO_2放出速度とコマツナ発芽率にもr=-0.832の高い相関が見られた。以上より,CO_2放出速度は腐熟度判定の指標として有効であることが明らかとなった。CO_2放出速度とコマツナ発芽率の回帰式から,良質堆肥の推奨基準であるコマツナ発芽率80%以上を示す堆肥は,CO_2放出速度0.8mg g^<-1> DM h^<-1>以下となった。これが腐熟度判定の基準値として適当であると考えられた。さらに,CO_2放出速度を簡易に推定する方法を開発した。堆肥の水分調整をしてから1日馴化させ,100mL容のサンプルびんに10g分取した。0.05mol L^<-1> NaOHにフェノールフタレイン液を200mg L^<-1>になるように加え,2×2cmに切ったろ紙を浸し,瓶の内壁面に貼り付け,ろ紙のピンク色が白くなるまで35℃で培養した。簡易法による紙脱色時間とCO_2放出速度には高い相関関係が見られた。腐熟度判定の基準値としたCO_2放出速度0.8mg g^<-1> DM h^<-1>のときのろ紙脱色時間は約40分となった。さらに,ノイバウエルポットを使用したコマツナ幼植物試験により,CO_2放出速度簡易推定法の再評価を行った。ろ紙脱色時間が30分以下と極めて短い堆肥では顕著な発芽・初期生育の抑制が認められた。したがって,ろ紙脱色時間40分を完熟の目安とすることが妥当と考えられた。
2005-08-05

二酸化炭素放出速度を基にした家畜ふん堆肥の簡易腐熟度判定法(日本土壌肥料学会2005年度大会プログラム)

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