福島県いわき市郊外山域のチョウ類群集における成虫の食物資源利用様式
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概要
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2005年4月から11月まで,福島県いわき市郊外山域の3地域において,トランセクト法を用いてチョウ類成虫の個体数モニタリングと利用餌資源の調査を実施し,当地における成虫の餌資源利用様式の解明を試みた.その結果,石森山,水石山,仏具山の3地域全体で,成虫の利用餌資源が47種類確認され,その内45種が植物で,34種が草本に該当した.全地域共に草本植物の花蜜は,多種の成虫に利用され,利用回数も多く,成虫の主要な餌資源であることが確認された.また全地域を通じて,各種成虫の食性幅(成虫の利用餌資源の種類数)と,その幼虫の潜在食性幅および化性(年間世代数)の間には,有意な関係は認められなかった.一方,各地域で確認された利用蜜源植物における帰化植物への依存率(蜜源植物の利用回数に占める帰化植物の割合)は約20〜30%と相対的に低く,蜜源植物の多様度H'は3.69〜4.02と相対的に高いことから,各地域共に帰化植物の侵入による影響はまだ少ないと推察され,チョウ類群集にとっては好適な成虫餌資源環境が維持されているものと判断された.今回得られた結果は,他の地域の既存の調査結果と類似している面が多く見られ,高い普遍性を有する結果であると判断された.本研究の結果より,成虫の餌資源利用様式からみると,多年草などの草本植物がよく生育し,蜜源植物の種多様度の高い生息環境の維持・管理が,チゴウ類群集の多様性保全ためには極めて重要であることが示唆された.
- 2007-12-28
著者
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北原 正彦
山梨県環境科学研究所
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永田 斉寿
福島県立勿来高等学校
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飯塚 日向子
福島県立勿来高等学校
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北原 正彦
Laboratory Of Animal Ecology Yamanashi Institute Of Environmental Sciences
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北原 正彦
関東支部
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北原 正彦
山梨環境研
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KITAHARA Masahiko
Laboratory of Animal Ecology, Yamanashi Institute of Environmental Sciences
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Kitahara M
Yamanashi Inst. Environmental Sci. Yamanashi Jpn
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Kitahara Masahiko
Laboratory Of Animal Ecology Yamanashi Institute Of Environmental Sciences
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Kitahara Masahiko
Yamanashi Institute Of Environmental Sciences
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Kitahara Masahiko
Department Of Animal Ecology Yamanashi Institute Of Environmental Sciences
-
Kitahara Masahiko
Graduate School Of Environmental Sciences The University Of Tsukuba
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