会津地方におけるバイオマス作物の生産効率(II 論文編)
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概要
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二酸化炭素を始めとする温室効果ガスの排出を削減するため,カーボンニュートラルといわれている植物由来のエタノールや油脂を利用したバイオ燃料が注目されており,ガソリンや軽油などの化石燃料に代わる燃料として期待されている.主要な食糧生産基地である東北地域においても,スイートソルガムや水稲を原料としてバイオエタノールを製造する試みが始まっている.一方,国内でバイオマスを活用する上での課題として,単位面積当たりの収量の向上と生産コストや投入エネルギーの低減が求められる.一般に単収の向上と,資材費や労働力の削減によるコストの低減はトレードオフの関係にあるが,多くの場合単収は対象作物の最大値や理論上可能な収量など高めに設定されている.また,エネルギー収支や温室効果ガスの収支は,ライフサイクルアセスメント(以下LCA)等の手法を用いて評価されているが,統計資料による計算では単収の向上がもたらす効果についての検討が困難である.福島県会津地方は,夏季の高温と豊富な日射量を有することから,水稲を始め各種の夏作物の単収が高い地域である.本稿では,会津地方の代表的な作物について,バイオマス作物として利用する際の生産性の可能性と生産効率,特に生産に要する農業機械等が消費するエネルギーから新たに排出される温室効果ガスおよび生産するほ場から直接排出される温室効果ガスに注目して比較検討したので報告する.
- 2007-12-28
著者
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