纎維製品の汚れに関する研究(第3報) : 糊付布の汚染性
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概要
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各種の糊料ポリマーにより糊付けした木綿布の,3種の方法の人工汚染液による汚染性を比較して,次の如き結果を得た。1)四塩化炭素分散汚染液によつては,部分鹸化ポリビニルアルコール(PVA-Ac)糊付布を除き,それぞれ若干の防汚性を示し,澱粉(S)やポリビニアルコール(PVA)は,ソジウムカルボキシメチルセルロース(SCMC)よりむしろ防汚性が高い。2)PVAの防汚性は重合度が増すとやや減少する傾向を示すが,PVA-Acは重合度が増すと逆に助汚性を減少する。ソジウムカルボキシメチル澱粉は,澱粉糊付布よりも防汚性を上昇するが,その効果はあまり大きくない。3)水分散汚染液によると,1)項とは異なつて,SCMC糊付布が明らかな防汚性を示すが澱粉・PVA・PVA-Ac等による糊付布は原布よりも汚染されやすい。この現象は次報(第4表)に述べる洗浄効果よりみた広義の防汚性とも関連することである。4)水分散汚染液に糊料ポリマーを溶解したもので未糊付布を汚染すると,いずれの糊料を添加した場合でも,無添加の汚染液よりは汚染しやすい。
- お茶の水女子大学の論文
著者
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松川 哲哉
Laboratory of Textiles, Faculty of Home Economics, Ochanomizu University
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松川 哲哉
Textile Laboratory Faculty Of Home-economics Ochanomizu University
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