子どもの調整力に関する研究動向について(第2報)
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概要
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中教審答申(平成14 年度)に指摘されているように,昭和60 年ごろから低下傾向が顕著となった子どもの体力は現在でも凋落傾向に歯止めがかからぬ情勢にあり,その総合的な対策の推進が期待される.先の答申(中教審,平成17 年7 月)にもあるように,初等教育段階の子どもたちにおいては「巧みに身体を動かす能力」,すなわち「調整力」をいかに育むか,そしてその「ミニマムとは?」について盛んな議論が行われている.幼少年期の「基礎的な動作」についてはGallahue(1998)にはじまり,体育科学センター,または日本体育協会の研究プロジェクトで提案されてきたが,今日においてはこの「調整力」の習得を学びの中で明確に位置づける方向性が明確となっている.この「調整力」発達に関連する生活環境条件の要因分析について先行研究を概観したところ,日常生活量や運動(遊び)を左右する家庭環境や園環境の傾向が示唆された.特に遊びの仲間や種類・場所,住居形態,家族構成,保護者の運動参加,園の遊び場の適正規模,子どもの自発性を促す保育内容,などの物理的環境,および心理社会的環境の関連性が示唆された.調整力を育むことに寄与する要因間の関連性は複雑かつ多様であるが,生涯を通じた自律的な活動を営む上での身体活動を身につける上で,それに必要な運動(遊び)体験の効果的な学びが幼少年期において必要と展望される.
- 2007-12-20
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