脳血管障害者に対する多方向リーチテストの信頼性と妥当性に関する検討
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概要
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本研究の目的は脳血管障害者における多方向のリーチテストの信頼性と妥当性を検証することである。対象は脳血管障害者24名(平均年齢55.5±11.7歳)であった。リーチテストはFunctional Reach Test(以下FRT),Multi-Directional Reach Testの変法(以下MDRT)と,筆者らが考案したFour Directional Functional Reach Test(以下FFRT)を計測した。FFRTの特徴は片手で行えること,ADL上使用しやすい動作であることである。評価の信頼性の検討は級内相関係数(1.1)を用いた。再現性はいずれのテストでも高かった(ICC=0.91〜0.99)。妥当性の検討は重心動揺計を用いて,各テスト実施中の重心移動範囲を測定した。また歩行能力の指標としてTimed Up and Go Test(以下TUG),歩行自立度(屋外歩行自立群・屋内歩行自立群)を評価した。結果は重心移動範囲との相関はFRTがr=0.78,MDRTの各方向がr=0.42〜0.78,FFRTの各方向がr=0.52〜0.78であった。TUGとの相関はFRTがr=-0.42,MDRT合計がr=-0.55,FFRT合計がr=-0.52であった。歩行自立度2群間ではFFRTで有意差が見られた。結論として重心移動範囲と歩行能力を反映していることから,脳血管障害者の多方向リーチテストとしてFFRTの有効性が確認できた。
- 2007-12-20
著者
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