尿道下裂に対する一期的尿道形成術(Hodgson type III法)についての臨床的検討
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概要
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1978年から1984年8月までに本院及びその関連病院に於て21名の尿道下裂患者に対して,Hodgson type III法による一期的尿道形成術を施行した.術後経過良好であった13例と軽度の合併症の4例を合わせて17例(81%)にほぼ満足の行く結果を得ることができた.今回の経験よりHodgson type III原法では,皮膚欠損部の修復時に背側で皮膚が不足することがあるので,当初に陰茎背側の包皮を逆V字状に残しておいて後で使うことにより,陰茎全体を緊張無く被うことができるように改善した.手術手技上注意した点は,完全に索切除を行うことと正確な新尿道の形成であったが,索切除の確認と新尿道の長さの決定には,artificial erection techniqueが有用であった.また新尿道の作製時に島状皮膚弁の大きさは必要最小限の大きさに止めることが肝要と思われた.術後排尿状態の評価として,尿流量測定は簡単かつ非侵襲的であり,客観的に評価し得るので有用であると思われた.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1985-12-20
著者
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