高齢者をめぐるソーシャルサポートの動向と特性 : 全国調査(2005年)のデータ分析を通して
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概要
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高齢者のソーシャルサポートについて、1991年に行われた全国調査の結果とと比較したところ、すべての類型別ソーシャルサポートが15年間に大きく低減していることが明らかになった。また、一元配置分散分析による地域差の検討から、総合的なソーシャルサポートおよび機能別ソーシャルサポートに地域差はみられないが、提供主体別ソーシャルサポートには一定の差異が存在することが明らかになった。具体的には、同居家族からのサポートが少ないかわりに、兄弟・親戚サポートおよび近隣サポートが多い北海道地方が特異な傾向を示すこと、四国および東海地方は同居家族および兄弟・親戚サポートがいずれも多いが、東海地方は近隣サポートが少ない点に特徴がみられた。また地域規模別の比較では、同居家族サポートについてのみ有意差が認めうれ、都市部の高齢者が郡部の高齢者に比べてサポートが少ないことが明らかになった。さらに重回帰分析により、「性別」「配偶者の有無」「暮らし向き」「個人的活動」が多くの類型別ソーシャルサポートを規定している要因であることが判明した。高齢者の経済生活を保障し、個人的活動をはじめとする多様な活動の機会を創出することによって、高齢者のソーシャルサポートが維持・拡大される可能性が示唆された。
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