介護支援専門員によるケアマネジメント : 阻害要因の計量的分析
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概要
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介護保険制度において中核的な機能を担う介護支援専門員については、制度の発足当初より、その業務をめぐる矛盾や負担が問題となっている。本稿では、介護支援専門員への自記式アンケート調査から、34項目13領域にわたるケアマネジメント実践の達成状況を評価し、34項目7領域からなる阻害要因の影響力について検討を行った。その結果、介護保険制度に限定的な「基礎的ケアマネジメント」は概ね実施できているものの、権利擁護や地域資源の開発などを含む「発展的ケアマネジメント」の達成状況は低いレベルにとどまっていることが明らかになった。また、阻害要因では、時間不足に代表される「劣悪な勤務環境」とそれに伴う「バーンアウト」が多領域に及ぶケアマネジメント実践を阻害しているほか、これらに加えて、基礎的ケアマネジメントでは「面接技術の未熟」、発展的ケアマネジメントでは「若年齢」であることが阻害要因になっていることが判明した。最後に、これらの阻害要因の解消または軽減を図り、発展的ケアマネジメントの実践を支援・促進していく必要性について論及した。
- 首都大学東京の論文
- 2004-03-25
著者
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