醤油のガスクロマトグラフィーによる香気成分の定性について
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概要
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1)醤油の香気成分の検索にあたり,普通醤油は火入によって成分の変化が著るしいため,本実験の試料に生醤油を使用した。2)会社を異にする2種の製品が生醤油であるかについて熟成液(新式II号),アミノ酸液に比較して,レヴリン酸は天然醸造生醤油中に非常に少ない。そこで著者は飯倉,横塚のバニリン硫酸法による比色定量を行なった。その結果,本実験の試料が天然醸造生醤油であることが判った。3)香気の採取はE-n-P抽出法およびFig.1に示す捕集装置でCO_2 gasによって捕集した。4)捕集した各試料についてEster,aldenhyde,ketone,acidの一般分析を行った。その結果各成分ともPropylene glycolを吸着剤として用いた溶媒がよかった。5)GC法に先立って,ケン化およびカルボニル化合物を除去した。6)GC法で12種類の試料を分離,同定しカラムはP.E.G 1000,P.E.G 6000,D.N.Pを使用した。7)以上確認した作合物を次に示す。Ethyl acetate,iso-Amyl acetate,Ethyl lactate,Diacetyl,Ethyl alcohol,iso-Butyl alcohol,n-Butyl alcohol,iso-Amylalcohol,Acetic aid,iso-Butyl acetate,Acetoin,n-Butyl acetate,n-Propyl alcohol,Metyl alcohol,Ethyl-n-butyrate,n-Hexyl alcohol,sec-Butyl alcohol. 8)新たに見出された化合物は次の5種類である。iso-Butyl acetate,Ethyl-n-butyrate,sec-Butyl alcohol,n-Hexyl alcohol,n-Amyl alcohol. 9)未知成分はP.E.G 6000で11種,P.E.G 1000およびDNPは6種であった。
- 東京家政学院大学の論文
著者
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