グリーンパニックの種子に関する研究 : X.採種直後の種子の乾燥方法が発芽に及ぼす影響
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概要
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グリーンパニックの種子の乾燥方法について検討を行った。乾燥温度に関する実験の結果,温度とともに乾燥速度が発芽に大きな影響を及ぼすことが推定された。乾燥速度が適切であると,30〜40℃で乾燥した場合に優れた発芽が認められた。速過ぎる乾燥は発芽を害し,その悪影響は乾燥の初期における種子の包被(包えい及び不稔花)以外の部分の変化を通じて現れると考えられた。20〜15℃で乾燥した種子では,長期間(室温で1年半程度)貯蔵すると発芽率が低下したが,この場合はく皮(包被の除去)を行うと発芽は著しく改善された。湿潤状態の種子を2か月の間,30℃に置くと発芽不可能となったが,20℃又は15℃に置いた場合は採種後数か月で著しく優れた発芽を示した。20℃で4週間かけて緩やかに乾燥した場合もこれと同様の効果が現れた。以上の結果から,採種後早期から高い発芽率と早い発芽を得るための方法として次の2方法が提示された。1)種子を浅い容器に入れ,30℃で1週間程度かけて乾燥する。2)種子を容器に入れ,20℃で1か月程度かけて乾燥する。ただし1)の方法は乾燥速度が適切でないとかえって発芽を害することがあり,2)の方法は種子全体の均一な乾燥を図ることが必要となる。
- 日本草地学会の論文
- 1986-01-31
著者
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