ギニアグラス栽培法の確立に関する研究 : I. 3要素施用量について
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概要
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1.夏作牧草として有望なギニアグラス(Panicum maximum var. trichoglume)について,栽培法確立のためにまず要素施用量の実験を行なった。2.要因分析の結果では,ギニアグラスの生長に,1〜2番草で窒素および燐酸施用量間に有意差があり,3番草には処理による生長の差がなかった。合計収量でみると窒素施用量によってのみ有意差があり,倍量区がまさった。カリ施用量間にギニアグラスの生長について有意差はまったくなかった。3. 1番草の窒素倍量区の低収量は,高濃度の尿素による出芽障害から欠株を多く生じたためである。2番草の窒素多用の効果は,窒素そのものの効果と,1番草の低収が逆に2番草の生長をよくした効果とが合わさったものであると考えられる。4. 1番草の燐酸増施による多収は,燐酸そのものの効果でなく,過石によって高濃度の尿素による害が緩和されたためと考えられる。5.この実験では燐酸としては,基肥に過石37.5g/m^2を施せば十分であった。6.窒素およびカリの施用は,つぎのような要素吸収量を基準として行なうのが適当と思われる。1)穂孕期前後の刈取りを目標に約20日ごとに刈る場合は,毎回の乾物収量が200g/m^2として,窒素6g/m^2,カリ5g/m^2の吸収量である。2)出穂始めごろの刈取りを目標に約30日ごとに刈る場合は,毎回の乾物収量が400g/m^2として,窒素10g/m^2,カリ約7g/m^2の吸収量である。ただし最終刈りでは乾物収量250g/m^2として,窒素,カリとも5g/m^2である。3)出穂中期以後の刈取りを目標に約60日間隔で刈る場合は,毎回の乾物収量が550g/m^2として,窒素11g/m^2,カリ8.3g/m^2の吸収量である。
- 日本草地学会の論文
- 1969-11-29
著者
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