オーチャードグラスとアカクローバの単播および混播草地の生産性ならびに永続性に及ぼすイソキサチオン剤処理の効果

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アカクローバは,飼料価値が高く,生産性においても優れるが,短年生であるため,永年維持が難しいことが欠点とされている。本試験は,この欠点を改善する試みのひとつとしてイソキサチオン殺虫剤による地下昆虫の防除を行ったものである。大型ポットに,アカクローバ単播(R),オーチャードグラス単播(O),両者の混播(O-R,O/R)の4草地を作った。O-Rは両草種を交互畝に条播,O/Rは両草種を混じて散播した。播種後1年目に各草地を二等分して,一方はイソキサチオン殺虫剤で土壌処理を行い,他方は処理しないで対照区とした。4年間にわたる生産性を比較した結果,薬剤処理はすべての草地で乾物収量の増加をもたらしたが,この効果は,とくにアカクローバを含む草地で,かつ年次が遅い場合に顕著であった。すなわち,4年目の年間収量の薬剤処理/無処理区の比率は,Oで1.1あったが,Rで2.7,O/Rで3.1,O-Rで1.6であった。これはアカクローバの収量や総収量に占めるアカクローバの比率が薬剤処理区では高い水準で維持されるのに対して,無処理区では播種後3-4年目から激減したためである。試験終了後,土壌中のドウガネブイブイ幼虫の生息数をしらべた結果,薬剤処理による生息数の減少が明らかであった。最後にイソキサチオン剤の作用機作について若干の考察を加えた。
日本草地学会の論文
1985-07-30

オーチャードグラスとアカクローバの単播および混播草地の生産性ならびに永続性に及ぼすイソキサチオン剤処理の効果

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