北海道東部における鳥類の死因II
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概要
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北海道東部における鳥類の死因が,1982年2月〜1995年4月までに集められた97種500羽の死体の解析によって研究された.ガラス窓やその他の人工物への衝突が最も重大な死亡要因で,全体の52.6%(263羽)であった.衝突による死亡個体数が最も多い鳥はシメで38羽,以下,アオジ(24羽),ゴジュウカラ(15羽),キビタキ(11羽)などが多かった.次いで重要な死因は交通事故で,全体の26.0%(130羽)であった.交通事故によって最も多く死亡していたのはスズメで17羽,次いでアオジの16羽であった.その他の死因は:衰弱死あるいは餓死が全体の6.0%(30羽),ネコによる捕殺が3.8%(19羽),中毒,感電,有刺鉄線による拘束など,その他の人為的事故死が3.6%(18羽),天敵による捕殺が2.4%(12羽),そして死因不明が5.6%(28羽)であった.人工物への衝突や交通事故などの人為的死亡要因は鳥類にとっての重大な死因となっていると考えられる.
- 帯広畜産大学の論文
- 1996-06-26
著者
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柳川 久
帯広畜産大学野生動物管理学研究室
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柳川 久
帯広畜産大学畜産環境科学科生態系保護学講座野生動物管理学研究室
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澁谷 辰生
帯広畜産大学畜産環境科学科生態系保護学講座野生動物管理学研究室
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澁谷 辰生
帯広畜産大学畜産環境科学科生態系保護学講座野生動物管理学研究室:(現)厚岸水鳥観察館
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柳川 久
帯広畜産大学生態系保護学
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Yanagawa Hisashi
Laboratory Of Wildlife Ecology Obihiro University Of Agriculture And Veterinary Medicine
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