母性看護学実習における実践能力習得への4キーパーソンからの影響要因

概要

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本研究の目的は,母性看護学実習から,学生はどのような事項を誰によって,どの程度動機付けられ,その影響を受けて看護実践能力を習得していくのかを,臨地実習指導者,教員,グループメンバー,受け持ち事例の4キーパーソンの影響要因から明らかにすることである.A大学4年生で,平成17年度前期母性看護学実習を履修した36名を対象に,3設問による質問紙調査を行った.設問は,実習前後の看護場面想起とモデルの存在の有無,母性看護学実習での学びへの影響要因,文部科学省の看護実践能力の構成より母性看護学実習用に改変した実習前後の看護実践能力の自己評価である.倫理的配慮は,対象学生に調査の主旨と目的を文書及び口頭で説明し同意を得た.結果を以下に示す.1.学生は,母性看護学実習で,実習指導者を熟達看護師モデルとし,教員を高い専門性を持つ看護モデルとしてとらえ,グループメンバーと受け持ち事例よりも,多くの影響を受けていた.2.学生は,母性看護学実習で,実習指導者,教員,グループメンバー,受け持ち事例の4キーパーソンの上位影響3項目結果より,「倫理観」「看護過程展開」「看護の専門性」から最も影響を受けて看護実践能力を習得していた.3.学生の約60%が回答した下位影響項目は,実習指導者と教員が第7位まで,グループメンバーと受け持ち事例が第5位までであった.さらに,学生は,実際に教育に関わっている実習指導者と教員から,12項目中7〜8項目の影響を受けていると自覚していた.4.学生は,母性看護学実習で,文部科学省が示す卒業時看護実践能力到達目標のI群(ヒューマンケアの基本に関する実践能力),II群(看護の計画的な展開能力),および,III群とV群は達成していた.一方,IV群(ケア環境とチーム体制整備能力)は4キーパーソンからの影響が弱く,実践能力習得が他群に比べ低かった.
香川大学の論文

母性看護学実習における実践能力習得への4キーパーソンからの影響要因

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