少数者、大衆、大衆的知識人 : -オルテガ政治思想の頂点-
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概要
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まず筆者はオルテガの哲学・政治思想の変遷過程の分類を考察する。フェラテール・モーラはオルテガの哲学思想を(1)客観主義、(2)遠近法主義、(3)歴史主義を伴った生・理性主義に区分し、またセペータ・カルサーダは彼の政治思想を(1)社会主義、(2)自由主義、(3)教条的自由主義、(4)自由主義への幻滅、(5)保守主義に区分する。さらに筆者はゴライスの研究に基づき、(1)統治者と被統治者という対極的存在、(2)選ばれた少数者の最高価値など四つの社会的基礎事実を前提にして、少数者、大衆、大衆的知識人をめぐって著名なオルテガの大衆社会論を検討する。少数者の特徴については(1)リベラル、(2)個人主義者など六点が、また大衆人の特徴として(1)努力なしの欲望達成、(2)歴史的過去に対する忘恩など七点が、大衆的知識人の特徴として(1)伝統の欠如、(2)真正さの欠如など六点が挙げられる。最後に日本の政治状況を鑑み大衆社会状況を解明し、ポストモダンの将来を見通そうとする。
- 2003-12-15
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