健康増進教室参加者の脂肪酸摂取 : 福岡県東南部農村地域の調査

概要

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福岡県東南部に位置する、農村地域S町「健康増進教室」参加者の食事調査を1989年5月に行った。調査対象者は男性10名、女性42名の計52名である。各種の栄養素のなかで現在脂質摂取の過剰が成人病などの増加の要因となり、その質が問題とされるようになったことから脂肪酸摂取について調査した結果つぎのような結論を得た。(1)S町調査対象者の脂肪酸摂取の状態は、調査年と同年の平成元年の国民栄養調査と比較してほぼ同じような比率を示した。(2)S町調査対象者は、第5次改定の日本人の栄養所要量に示してある適正であろうとされる比率より、一価不飽和脂肪酸はやや少なく、多価不飽和脂肪酸はやや多かった。そのためP/S比は平均で約1.2であり適正値1.0より高かった。(3)多価不飽和脂肪酸のなかには、n-6系に属するリノール酸、アラキドン酸と、n-3系に属するα-リノレン酸、EPA、DHAがあるがこの比率が3.4であった。これは健康にとって好ましいとされるn-3系の摂取が調査対象者には多いためであった。(4)S町の「健康増進教室」参加者は、比較的高齢者の集団であるが、健康志向の高い人々であるためか脂肪酸摂取の実態は比較的良好とみられた。今後は更にn-3系脂肪酸摂取の方法と抗酸化ビタミンの摂取を増加させていく指導が必要であると考えられる。本研究を進めるにあたり、終始調査にご協力いただいた犀川町保健課、犀川町「健康増進教室」参加者の各位に深く感謝するものである。また本研究の資料の収集、整理に尽力した、九州女子大学管理栄養士専攻卒業生、萩慈生病院、大谷喜代子氏、女子栄養大学院生、松下佳代氏に感謝する。

健康増進教室参加者の脂肪酸摂取 : 福岡県東南部農村地域の調査

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