某職域集団に対する住宅・職場環境と健康状態調査について

概要

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【研究目的】シックハウス症候群の有訴率と、その具体的症状を明らかにすること。【研究方法】対象:某大学内研究所において、常時室内に勤務する職員(大学院生も含む)108名に「シックハウス症候群に関する疫学的研究」班で作成された調査票「住宅環境と健康状態についてのご質問」の自記式質問紙を配布した。回答が不完全であった13名を除いた95名(88.0%)を解析対象とした。統計的検討はStatistical Analysis Systemで行った。【研究結果】全解析対象者の構成は男性46名、女性49名で、年齢は19歳〜63歳(平均年齢36才)であった。95名中、最近5年くらいの間に自宅の新改築をした者は24名(25.2%)、一方現在、何らかの症状がある者は95名中44名(46.3%)であった。なお、最近5年くらいの間に自宅の新改築をした24名中、現在、何らかの症状のあるものは11名(45.8%)であった。新改築をしていない71名中症状を訴えた者は33名(46.5%)で、自宅の新改築と症状の間に関連は見られなかった。次に、症状を訴えた群44名と症状を訴えなかった群51名の2群の間で、ライフスタイルの各項目(運動、飲酒、睡眠時間、栄養のバランス、朝食、労働時間、ストレス、喫煙)について比較したところ、2群間で差は認められなかった。【考察】今回の調査では、研究所常勤者という特別な集団であったが、新改築の有無と症状との関連は認められなかった。この理由として(1)症状の設問が適切でない(2)時期的に他疾患の影響を強く受けている(3)数が少ない等が考えられ、今後検討が必要である。【結論】自宅の新改築をした者は25.2%、何らかの症状を有する者は44名(46.3%)にのぼる。新築をし、症状を訴えた者は新築をしたものの中で45.8%と高率だが、新築をしていないものの中でも症状がある者でも46.6%と、本調査では差は見られなかった。
産業医科大学学会の論文
2002-03-01

某職域集団に対する住宅・職場環境と健康状態調査について

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