機能性食用油脂の使用実態と認知度に関する調査
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概要
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家庭における油脂調理の実態および機能性食用油脂の成分表示の認知度と健康意識との関わりを調査し,以下の結果を得た。1.油脂調理の種類および頻度は,家族構成によって異なり,「焼く調理」と親との同居の有無,「妙める調理」と子どもの人数との間にそれぞれ有意差(p<0.05)が認められた。2.機能性食用油脂に,「生活習慣病予防・健康効果」および「美容・ダイエット効果」などの健康効果を期待する家庭は,それぞれ62%および32%を占め,家族構成にかかわらず健康志向の高いごとが認められたが,味・風味および価格はあまり問題にしていないことが分かった。3.食用油脂に表記されている成分の中で,「高濃度オレイン酸」の使用割合が最も多く(41%),次いで,「リノール酸豊富」が35%,「コレステロール0(ゼロ)」が37%,「ビタミンE」が32%,「植物ステロール」が25%,「中鎖脂肪酸」22%の順で,「ジアシルグリセロール」はおよそ14%で最も少なかった。4.食用油脂の成分表示と健康意識との関連は,「ジアシルグリセロール」および「中鎖脂肪酸」を主成分とする食用油脂を使用している家庭において健康意識は高かった。「コレステロール0(ゼロ)」と表示された食用油脂を使用している家庭と,使用していない家庭の間に有意差(p<0.01)が認められ,「コレステロール0(ゼロ)」と表示されたものは,「健康に良さそうな油」どして認知されていると考えられた。5.購入時の重視点は,「健康効果」が81%で最も多かった。次いで「安全性」が65%,「経済性」が50%の順であった。全体として食用油脂に対する健康および安全性への意識が高かった。6.容器の「表示内容」を購入時の重視点とする家庭において,親との同居と別居の間に有意差(p<0.1)が認められ,別居の方が食用油脂を購入する際に,商品の容器に表示された内容に注目する傾向が高かった。
- 2006-12-01
著者
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