放牧草原地域のインフラを想定するアドホック網ルーティング(無線ネットワーク,オーバーレイネットワーク,VPN,DDoS,ネットワークセキュリティ,P2P通信,ネットワークソフトウェア,一般)

概要

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本稿ではモンゴルの放牧地方の通信インフラを指向したアドホックネットワークのルーティングに関する検討を報告している。本ネットワークは2種の地域をカバーする。一つは県庁所在地のような人口集中地(Soum area)であり、ネットワークの中心となる地域、もう一つは放牧地方(Pastureland)であり、中心地域から谷沿いに展開する。中心地域は住居固定であり、放牧地方では移動頻度は1週間に1回程度であるが、移動し、移動住居に設置されるパケット中継機能がアドホックネットワークを形成する。通信サービスとして中心地域に設置されるゲートウェイを介したインターネット利用と、携帯電話のような音声通信を対象とする。インターネット通信は固定されたゲートウェイとの通信であり、通信休止中にあらかじめ準備されたルート(Proactive routing)をとるが、音声通信は呼毎にルート設定が必要となる。近傍のユーザ間では直接のパスを呼毎に動的に設定(Reactive routing)し、遠距離では中心地域のゲートウェイ間高速ルートを併用するハイブリッドルーティングを行う。ハイブリッドルーティングは、信号などの制御オーバヘッドの減少に効果がある。
社団法人電子情報通信学会の論文
2007-09-13