PON利用移動体IP網の高速移動体制御の一検討

概要

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本稿ではPON(Passive Optical Network)を用いた移動体通信アクセス網を検討している。マルチメディア通信実現のためのマイクロセル化、全IP化を目標としている。IP端末の移動支援にはMobile IP方式が基本であり、本稿ではまず放送機構を利用した移動体通信向きのMobile IPの基本概念を提案している。放送機構を利用すると基地局にFA(Foreign Agent)を配置でき、しかも複数の基地局が同一IPアドレスをとれ、高速の移動を支援できる。ただし、この基本概念は各セルでIP転送が完結することが必要である。そこでハンドオーバにかかるパケットの救済のための回復処理法としてソフトハンドオーバ法とバッファ利用法を示した。また、ハンドオーバ手順として既存チャネルを利用する制御法、新セルへの制御チャネル設定法、隣接セルが予め転送体制をとる方法の3案を示し、既存方式である第一案では高速移動体に対応できず、後者2案のいずれかが必要であることを述べた。なお、いずれの検討でもPONの放送機構が有効な働きをし、将来のマイクロセル方式でのアクセス網にはPONの採用が有効であることが分った。
社団法人電子情報通信学会の論文
2001-11-15