船舶観測による噴火湾の波浪特性について

概要

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噴火湾周辺海域で発生する風、及び波浪の出現特性について以下に要約する。1.海上風については、夏季はE、SEの風、冬季はW、NWの風が非常に卓越した風向であり、春季と秋季は両方の風が混在するという明確な風向の季節移行が見られた。また、風力階級は夏季よりも冬季のほうが大きく、春季は夏季、秋季は冬季に似た分布形状を示した。2.波高については1年を通じて1.00(m)未満が80パーセント近くを占めた。また、1.00(m)以上の高波高出現海域は、夏季、冬季それぞれ卓越風向の風下側に集中するという特徴が見られた。3.スペクトル形状については、夏季と冬季ではその出現頻度が異なり、夏季は風速は穏やかであるが吹送距離が長いため十分に発達した波が多く、冬季は風速は強いが吹送距離が短いため未発達の波が見られた。また、湾南東の開口部から入り込んでくるうねりの影響で双峰型であるものが多数見られた。以上のような結果が得られたが、これらは気圧配置が安定している時に調査研究船が出港可能と判断して観測した結果であり、前線通過時等の海象は含んでいない。すなわち、漁業従事者が操業可能と判断して出漁した日の特徴であるといえる。
社団法人日本航海学会の論文
1998-03-25

船舶観測による噴火湾の波浪特性について

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