行動療法に寄せられる諸批判の整理と検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
行動療法は、インフォームド・コンセントを重んじ、実験を通して有効性が確認されたエビデンス・ベーストの技法を用い、クライエントが望む介入結果に至ることがめずらしくない、心理療法である。しかし、研究者や実践者たちにおけるこの療法への敬意は必ずしも高くはなく、とりわけ日本においてその傾向が強い。本論文は、文献などに見られる「行動療法は人間をネズミあつかいする」「クライエントの過去の経験を重視しない」「冷たい」といった諸批判を検討するものである。まず、行動療法の母体である行動心理学を解説する。続いて行動療法を概観し、特にその技法を詳述する。以上を通して行動療法の位置と性格を明らかにした後、これまで行動療法に与えられてきた19種類の典型的な批判を紹介して各批判に検討を加える。検討は「批判への回答」形式でおこなうが、その内容は、科学というアプローチに対する誤解の指摘、行動心理学と行動療法を混同していることの指摘、ヒューマニスティックという語の定義の再考、などから成り立っている。
- 長崎ウエスレヤン大学の論文
- 2005-03-31
著者
関連論文
- 歴史心理学を援用した日本文化理解の試み
- 発達障害の児童生徒に適用された行動療法の効果の展望
- 行動療法と認知行動療法による不登校児童生徒への再登校支援
- 不登校の児童生徒に適用された行動療法の技法の展望
- 現代日本の家族における「かたち」と「こころ」についての考察
- 発達障害の児童生徒に適用された行動療法の効果の展望
- B.F.スキナーの生涯
- 行動療法・認知行動療法が用いられた10件のカウンセリング事例
- 高等学校における森田療法
- 学校緊急支援の諸理論と実際
- 在日外国人を対象としたカウンセリングで用いる面接同意書について
- 行動療法に寄せられる諸批判の整理と検討
- カール・ロジャーズの生涯
- O4-3 臨床心理学初学者を対象とした講義における行動療法教授法の工夫(一般講演)