アグーチ座A^yアリルはエンドトキシン誘導性致死に対する感受性を増大させる(免疫学)
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概要
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感染中の食欲不振に関する研究を遂行する過程で,B6-A^yマウスはB6マウスに比べ,リポポリサッカリド(LPS)誘導性の致死感受性が亢進していることが明らかとなった.LPS誘導性の致死感受性は加齢マウス,B6およびB6-A^yの両者,で劇的に増大した(加齢効果)が,A^y効果がなお観察されたことから,A^y効果は加齢効果とは独立であることが示唆された.また,TNFの非存在下においても,致死感受性を増大させるA^y効果がなお観察されたことから,A^y効果はTNF毒性とは独立であることが示唆された.マウス1匹当たり100μgのLPSを投与したとき,B6マウスは15%の,B6-A^yマウスは65%の(B6よりも有意に高い),そしてB6-ob/obマウスは100%の(B6およびB6-A^yよりも有意に高い)致死率を示した,これら結果は,レプチンが炎症に対する保護効果を持ち,そのレプチン効果の一部分がαMSHにより仲介されるという仮説を支持するものである.MC4Rの遮断の結果と対照的に,B6-A^yマウスはB6マウスよりも重篤なLPS誘導性の食欲不振を示したことから,LPS誘導性の食欲不振にMC4Rは必須ではなく,他のメラノコルチンレセプターを含む経路の存在が示唆された.αMSHは内因性の抗炎症ペプチドであるとされており,また,MC1Rが様々な皮膚の細胞に発現している事実を考慮すると,A^y効果はMC1Rを含む経路により誘導されることが推察される.生体防御におけるαMSH-MC1R相互作用の生理的意義について議論する.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2007-09-25
著者
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