C57BL/6J×KK-A^y/a F_2-A^y/aマウスにおいて同定された体重QTL,Bwq1およびBwq2の特性解析(生理学)
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概要
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C57BL/6J×KK-A^y/a F_2-A^y/aマウスにおいて固定された体重に関する量的形質遺伝子座(QTL),Bwq1およびBwq2について,存在を確認するとともに,特性を解析した.体重計測は生後の21日から100日まで10日間隔で実施した.Bwq1は40,50,および60日齢時体重にのみ効果を示した.一方でBwq2は40日齢以降のすべての日齢時の体重に効果を示した.体重計測間の体重増加を考慮した場合,Bwq1,Bwq2ともに30から40日齢間の体重増加にのみ効果を示した.すなわち,生後の後年にF_2-A^y/a固体間に認められる肥満の程度の差異は,それよりずっと以前の,離乳から10〜20日ほど経過した頃の体重増加の個体間差異によって決定されていることになる.Bwq2はKK系統の体重を調節すると考えられる,なぜなら,Bwq1はA^yアレルの非存在下,すなわちF_2-a/aにおいても検出されたからである.これに対してBwq2はA^yアレルによる肥満の程度を調節すると考えられ,それ故にA^yアレルと特異的に相互作用する修飾因子である.なぜなら,Bwq2はF_2-A^y/aのみに検出されるからである.Bwq2近傍には脂肪組織で発現する2つの候補遺伝子,PpargおよびHrhlが存在する.しかしながら,KKおよびC57BL/6Jの系統間でこれら遺伝子の塩基配列にいかなる差も認められなかった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2004-09-25
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