RRマウスの低下した育仔能力を支配するQTL,Naq1の特性解析(生理学)
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概要
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近交系マウスRR系統の雌マウスは仔マウスの育仔能力の点で劣っており,離乳中に仔マウスが頻繁に死ぬ.著者らは以前,生後の7,12,21日目の6匹の一腹産仔の合計体重に基づき,「低育仔能力」を支配する量的形質遺伝子座(QTL)を5番染色体に固定した(Naq1).本研究ではNaqlの存在する信頼領域を正確に定めるためのマッピングを行った.同時に,「低育仔能力」の生理を特徴付けるために,新たな表現型として生後7から12日の間の一腹産仔の合計体重の増加(WG1),および生後12から21日の間の一腹産仔の合計体重の増加(WG2)を採用・解析した.結果,Naq1に関するロッドスコアのピークが72cM,D5Mit218の近傍に固定された.これは以前の結果より2cMテロメア側に位置し,WG1,WG2に対するロッドスコアはそれぞれ,5.5,0.9であった.生後の12日目までは仔の成長はすべて母親のミルクに依存する事実から,RR系統の「低育仔能力」は仔の成長異常というよりむしろ母親の泌乳の欠陥に起因することが示唆された.これまでに,牛と豚で固定された,類似の雌動物繁殖形質のQTL解析結果と比較して,Naq1は新規である.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2004-09-25
著者
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