コレステロールQTLの原因遺伝子としてのアポリポタンパク質遺伝子多型(生理学)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
C57BL/6J, KK (-A^y), およびRRに由来する3組のF_2マウスを利用し, 血漿コレステロールレベルに関するQTL解析を行った.6つのQTLを1番(Cq1, Cq2, およびCq6), 3番(Cq3), および9番(Cq4およびCq5)染色体に同定した.Cq2はCq6と, またCq4はCq5と同様の染色体領域に位置した.Cq2, Cq6の候補遺伝子はApoa2であり, Cq4, Cq5のそれはApoa4である.本研究では, コレステロールQTLの原因としてのアポリポタンパク質遺伝子多型の妥当性について調べた.Apoa2に関して, Apoa2^a, Apoa2^b, Apoa2^cの3つの異なったアレルが知られている.Apoa2^aおよびApoa2^cの間に生理的な差が認められなかったことから, コレステロールレベルの調節能力においてApoa2^bがApoa2^a, Apoa2^cと異なるという以前の仮設がさらに支持された.おそらく, ヌクレオチド84番におけるGからAへの, およびヌクレオチド182番におけるCからTへの塩基置換の一方または両者がApoa2^bを特異にするために重要である.Apoa4に関しては, 最も顕著な多型はC末端に認められるGlu-Gln-Ala/Val-Glnの反復数に基づくものであったが, この多型はQTLが生じる原因ではなかった.アミノ酸置換を伴わないCからTへの塩基置換がヌクレオチド771番に同定されたが, この多型パターンは合計6組の異なったF_2における9番染色体コレステロールQTLの検出と完全に相関した.暫定的に, しかしながら合理的に, これらの塩基置換はQTL効果を構成する主要因とみなしうる.QTL原因遺伝子, および塩基置換を同定するための可能な方法について議論する.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2005-06-25
著者
関連論文
- 高齢雄マウス精子からの体外受精による産子の作出
- ニホンハタネズミの交尾排卵および受精について
- アグーチ座A^yアリルはエンドトキシン誘導性致死に対する感受性を増大させる(免疫学)
- Apoa2 allele効果調節下における血漿コレステロールレベルおよび体重のQTL解析(生理学)
- 遺伝性短指趾NC-brp/brpマウスにおけるGdf5遺伝子変異の同定(生理学)
- 血中コレステロールおよびリン脂質レベルに関与するQTL,Cq3の特性解析(生理学)
- コレステロールQTLの原因遺伝子としてのアポリポタンパク質遺伝子多型(生理学)
- C57BL/6J×KK-A^y/a F_2-A^y/aマウスにおいて同定された体重QTL,Bwq1およびBwq2の特性解析(生理学)
- RRマウスの低下した育仔能力を支配するQTL,Naq1の特性解析(生理学)