血中コレステロールおよびリン脂質レベルに関与するQTL,Cq3の特性解析(生理学)
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概要
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Cq3は血漿コレステロールおよびリン脂質レベルを支配する量的形質遺伝子座(QTL)として同定された.Cq3はF_2-a/aにおいては統計学的に有意なQTLであったが,F_2-A^y/aではそうではなかった.おそらく,それ自身が脂質増加作用のあるA^yアレルの導入により,Cq3効果が不明瞭になったためと推察された.Cq3に対するLODスコアのピークが3番染色体D3Mit102(49.7cM)に同定されたため,同位置に存在するマイクロサテライトマーカーを利用し,KK×RR F_2,B6×RR F_2,およびKK×CF1 F_2における連鎖の有無を調べた.しかしながら,これらのすべてにおいてCq3は見つからなかった.全てのマーカー同士の総当りによる相互作用を検索した結果,Cq3はApoa2座と相互作用することが明らかになった.Apoa2座においてKKアレルをホモに持ち,Cq3座においてB6アレルをホモに持つF2マウスのみが,他の8つの遺伝子型を持つF_2マウスに比べ有意に高いコレステロール値を示した.本結果は,ラウンドロビン法が,QTL遺伝子検索の手段として常に有効なわけではないことを示した.おそらく,この理由は特異的遺伝子間の相互作用が手法の有効性を極度に制限したためであると推察された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2006-04-25
著者
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