味度メーターおよびラピッド・ビスコ・アナライザーを利用した水稲良食味系統選抜(品質・加工)
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概要
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水稲の育種において,良食味系統を効率的に選抜するために,味度メーター値(以降味度値と表記),ラピッド・ビスコ・アナライザー(以降RVAと表記)特性値と食味官能検査との関係について検討した.味度値,RVA特性値のコンシステンシーは食味官能検査との相関が高く,遺伝力が高かった.食味の優れた品種,系統の特性を総合的に判断するために,味度値,RVA特性値の相関行列をもとに主成分分析を行った.第1主成分は,最低粘度,最終粘度,コンシステンシー,味度値の4特性と関わりが深い因子であり,炊飯米の老化性を表すと考えた.また,これらは遺伝力が高く,遺伝的に安定していると考えた.第2主成分は,最高粘度,ブレークダウンの2特性と関わりが深い因子であり,米飯米の膨潤性,崩壊性を表すと考えられた.また,これらは遺伝力が低く,環境に影響されると考えられた.良食味品種であるコシヒカリは,米飯米の老化性が低く,膨潤性,崩壊性が高いことが認められた.これらのことから,良食味系統を選抜する場合において,味度値およびRVA特性値の利用は有効であることを認めた.
- 2003-12-05
著者
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佐藤 弘一
福島県農業総合センター作物園芸部:東京農工大学大学院連合農学研究科
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平 俊雄
福島県農業総合センター
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平 俊雄
福島県農業試験場
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斎藤 真一
福島県県北農林事務所
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平 俊雄
福島県農業総合セ
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佐藤 弘一
福島県農業総合センター
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