マツノマダラカミキリの時間帯別の羽化脱出消長
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概要
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マツノマダラカミキリの羽化脱出頭数を野外網室と25°C恒温条件の恒温室で0,4,8,12,16,20時の4時間ごとに調査した。環境条件が変動しない恒温室では,羽化脱出のピーク時間帯はみられなかった。野外網室では8〜12時と16〜20時にピークがみられた。羽化脱出頭数を目的変数,気温,降水量,日照時間を説明変数とした重回帰分析により,8〜12時の羽化脱出は過度に高い気温,過度に多い日照,降水に抑制され,16〜20時の羽化脱出は日中から日没頃にかけての気温が高いと促進されると考えられた。気温は羽化脱出の日周期性に最も影響する気象要因であると推察された。羽化脱出頭数の最多時間帯と次に多い時間帯の組み合わせには5パターンがみられ,気温条件により異なった。野外における羽化脱出の日周期性には,内的要因である羽化脱出リズムの寄与程度は小さく,外的要因である気温を主とする気象要因の寄与程度が大きいと考えられた。
- 日本森林学会の論文
- 2004-05-16
著者
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岸 洋一
東京農工大学農学部
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興津 真行
東京農工大学農学部
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谷脇 徹
(独)東京農工大学農学部附属フィールドサイエンス・センター
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興津 真行
(独)東京農工大学農学部附属フィールドサイエンス・センター
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岸 洋一
(独)東京農工大学農学部附属フィールドサイエンス・センター
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谷脇 徹
東京農工大学農学部:(現)神奈川県自然環境保全センター
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