異なる環境下のマツ丸太から羽化脱出したマツノマダラカミキリの消長と性比
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概要
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マツノマダラカミキリの羽化脱出消長を,東京都府中市では供試丸太をビニールシートで被ったビニ区で1999〜2002年に,林内区で2001年と2002年に,林外区と25℃恒温条件の恒温区で2002年に,茨城県那珂郡那珂町の林内区と茨城県下館市の林外区で1999〜2002年に調査した。供試丸太の網室搬入時期は,那珂町と下館市では冬期の伐倒直後であったが,府中市では5月下旬〜6月上旬であった。すべての調査区を設けた2002年の府中市では,脱出初日は林外区,50%羽化日は恒温区が最も早く,脱出初日から最終日までの日数は林外区で最も多く,ビニ区で最も少なくなり,同一地域でも環境や処理方法を変えると羽化脱出の傾向が異なることが確認された。4年間調査を行った府中市のビニ区,那珂町の林内区,下館市の林外区を比較すると,50%羽化日の平均は下館市が最も早く,有効積算温量が最も小さかった。林外では直射日光の影響でカミキリが実際に得る温量が多くなり,羽化脱出時期も早くなると考えられた。性比は高温少雨の年には小さくなった。また,府中市のビニ区と下館市の林外区では2000年から2002年にかけて同様の傾向を示した。
- 東京農工大学の論文
- 2003-03-25
著者
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谷脇 徹
東京農工大学農学部
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阿部 豊
ヤシマ産業株式会社研究開発本部
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阿部 豊
ヤシマ産業株式会社
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細田 浩司
茨城県林業技術センター
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興津 真行
東京農工大学農学部
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細田 浩司
茨城県林技セ
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谷脇 徹
東京農工大 大学院連合農学研究科
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阿部 豊
ヤシマ産業
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