ボーベリア菌培養不織布帯を施用したマツ丸太から羽化脱出したマツノマダラカミキリ成虫の野外条件下における高い死亡率
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Beauveria bassianaを培養したシート型不織布帯を施用したマツ丸太から羽化脱出したマツノマダラカミキリ成虫を, 野外および室内で個体飼育し, 飼育条件による死亡状況の違いなどを調査した.その結果, 野外飼育のカミキリ成虫の2001年および2002年の日齢15における累積死亡率は, 不織布帯施用区では95〜99%, 無施用区では68〜90%であった.室内飼育のカミキリ成虫の2001〜2003年の日齢15における累積死亡率は, 不織布帯施用区では84〜97%, 無施用区(2001〜2002年)では22〜30%であった.不織布帯施用区では早急かつ高率の死亡により, 野外飼育のカミキリ成虫の総後食面積は無施用区の42〜51%に減少し, カミキリ雌成虫のほとんどは卵巣が成熟するまえに死亡した.なお, 死亡虫体からのB. bassiana叢生率は野外飼育で57〜66%, 室内飼育で66〜88%となったが, 叢生しない虫体の死亡もB. bassianaに起因することが示唆された.
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 2005-11-25
著者
-
岸 洋一
東京農工大学農学部
-
谷脇 徹
東京農工大学農学部
-
興津 真行
東京農工大学農学部
-
大田 郁夫
東京農工大学農学部
-
谷脇 徹
東京農工大学農学部:(現)神奈川県自然環境保全センター
-
谷脇 徹
東京農工大 大学院連合農学研究科
-
岸 洋一
東京農工大
関連論文
- 東京農工大学府中キャンパスと唐沢山演習林における樹木の落雷被害
- 東京農工大学森林系FMにおける社会貢献活動(1997〜2006)
- FM草木とFM府中苗圃の昆虫相
- 東京農工大学フィールドサイエンス・センターにおける長期モニタリング
- 東京農工大学FM(フィールドミュージアム)大谷山・草木・唐沢山・秩父のFSCの基準による森林認証取得
- 東京農工大学唐沢山演習林に発生した地表火の樹木に及ぼした影響
- 裸地と林内に置いたマツ材線虫病被害材内の温湿度環境
- マツノザイセンチュウ接種木の針葉変色と枯死に及ぼす樹齢の影響
- 日本におけるマツモグリカイガラムシの異常発生と薬剤防除
- 都市近郊林の林床管理区および短期・長期放置区における地表性甲虫相の比較
- ボーベリア菌培養不織布帯を施用したマツ丸太から羽化脱出したマツノマダラカミキリ成虫の野外条件下における高い死亡率
- マツノマダラカミキリの時間帯別の羽化脱出消長
- 東京農工大学フィールドミュージアム(FM)における動物生息状況の記録(1960〜2000)(第2報)鳥類・蛇類・蛙
- 東京農工大学演習林における動物生息状況の記録(1960~1995)(第1報)哺乳類
- 激害型マックイムシ被害をひきおこす一つの重要な原因--被害林放量
- マツの穿孔性ゾウムシ類の寄生蜂Dolichomitus sp.(膜翅目 : ヒメバチ科)について
- 松くい虫の捕食者, オオコクヌスト(Temnochila japonica REITTER)(鞘翅目 : コクヌスト科)について
- 実験室内でのマツキボシゾウムシ幼虫の発育
- アカマツに穿孔するゾウムシ類の寄生蜂
- マツ枯れシステムのダイナミクスと大域的伝播の数理解析 (空間生態学)
- 異なる環境下のマツ丸太から羽化脱出したマツノマダラカミキリの消長と性比
- Beauveria bassianaを培養したシート型不織布帯の施用によるマツノマダラカミキリ成虫の制御
- 都市近郊の小規模孤立林における地表性昆虫類の群集構造の経年変化
- アカマツにおけるクロタマムシの脱出孔分布 : 穿孔虫類4種との比較