異なるストレス状況に対する就労者の対処柔軟性と職務満足感との関連
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概要
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"本研究の目的は,仮想的なストレス状況における事務系就労者のストレス認知と対処柔軟性が,職務満足感とどのように関連しているかを明らかにすることであった.本研究の主な調査法の特徴は,275名の就労者がTAC-24対処尺度に対して,2種類の仮想ストレス状況においてそれぞれ2度回答する点にあった. すなわち各仮想ストレス状況において,1回目の回答に続いて,2回目の回答をそれぞれの対処失敗状況の想定のもとに再度答えるものであった.これらの回答の一致・不一致によって,対処の柔軟性の型が決められた.対象者にはその他に,認知的評価と職務満足感に関する答えが求められた. 分析1の結果,仮想ストレス状況の認知的評価が低い場合に職務満足感が高いこと,また2回の対処が異なった変動型の場合に,接近-回避対処次元では職務満足感は低いが,行動-認知対処次元では職務満足感は高かった. 分析2の結果,問題-情動対処次元と行動-認知対処次元においては,仮想ストレッサーの違いにかかわらず対処を変えない場合に職務満足感は高かった. 以上の結果から,従来の対処を変えることがよいという考え方とは異なり,対処柔軟性と職務満足感との関連性はストレス状況と対処の種類や次元に依存することが示唆された."
- 川崎医療福祉大学の論文
著者
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金光 義弘
川崎医療福祉大学医療福祉学部臨床心理学科
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金光 義弘
川崎医療福祉大学
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金光 義弘"
川崎医療福祉大学医療福祉学部臨床心理学科
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"三野 節子
川崎医療福祉大学医療福祉学部臨床心理学科
-
三野 節子
川崎医療福祉大学医療福祉学部臨床心理学科
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