有明海湾奥における循環流とその変動について
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概要
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有明海湾奥の循環流の実体を明らかにするために,海底設置型ADCPによる流速連続観測を行なった。得られたデータから残差流成分を抽出し,上層残差流の変動の原因を推定するため,潮汐,河川流量,風を独立変数とする重回帰分析を行なった。その検証を数値モデルにより行ない,さらに,湾奥全域の残差流場がどのように変動しているかを考察した。その結果,冬季における太良町沖の上居残差流は,長軸方向については潮汐の変動の影響を,短軸方向成分については風の変動の影響を,強く受けることが示された。また,小長井町沖の残差流は,成層期には風の変動の影響を強く受けることが示された。さらに,潮汐・河川流量・風の変動が湾奥全域の残差流に及ぼす影響を数値モデルによって解析した。その結果,大潮時には地形に対応した水平循環,小潮時にはエスチャリー循環のパターンが卓越することが明らかになった。また,河川の変動による影響は成層期にのみ見られた。さらにまた,風による影響は季節によって異なるが,その原因は風の変動の大きさが変わったことによるだけではなく,残差流の応答特性自体が変化していることにもよっており,同じ風の変動を与えても引き起こされる残差流は季節によって異なったものとなることも解明された。
- 日本海洋学会の論文
- 2007-05-05
著者
-
経塚 雄策
九州大学大学院総合理工学研究科
-
濱田 孝治
九州大学大学院総合理工学研究院
-
経塚 雄策
九州大学大学院総合理工学研究院
-
経塚 雄策
(現)九州大学応力研:防衛大学校
-
濱田 孝治
佐賀大学有明海総合研究プロジェクト
-
濱田 孝治
九大
-
濱田 孝治
佐賀大
-
濱田 孝治
佐賀大学 低平地沿岸海域研究センター
-
経塚 雄策
九州大学大学院総合理工学府研究院
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