イギリスの中等学校(義務教育後期)公民科における共同体意識の涵養
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概要
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英国イングランドの義務教育課程の必修教科公民科における共同体意識の涵養についての研究である。公民科学習の基礎・基本である共同体意識の涵養は,地域社会での生活において,また学校生活全体において,また各教科の教授学習によってなされるのは言うまでもないが,特にそれらの補充・深化・統合としての意味をもつ必修教科公民科の学習単元「人権(権利と責任)」および「帰属(アイデンティティー)」の教授学習においてなされる。この論文では,外部機関による認定試験(中等教育修了一般資格GCSE試験)の存在とその評価が共同体意識の涵養をめざす教授学習活動に強く影響しているとの前提に立って,GCSE試験「公民科」の内容とそれが予想している学習の展開に対して,教科書内容が示唆する学習の展開がどのように対応しているかを調べた。あわせて自宅学習用学習書による暗記用の要点を調査した。これによって,最低限度の知識の暗記から実践的な知識と能力の獲得,さらには公民的活動の素地の形成を経て,市民(地域社会の構成員,英国民,ヨーロッパ共同体の一員,世界市民)としての資質の形成まで,GCSE試験「公民科」の枠組みが理想像として想定していることを確認した。
著者
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