オーストラリアにおけるインドネシア系住民のプロフィール
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概要
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本稿の目的はオーストラリアにおけるインドネシア系住民の歴史とセンサスにあらわれた特徴を概観することである。まず文献資料と聞き取りの結果に基づいて、オーストラリアにおけるインドネシア系住民の歴史を再構成した。次に、センサスデータを分析した政府統計資料に依拠しながら、インドネシア系住民の基本的な属性を紹介した。第二次世界大戦以前、インドネシアからオーストラリアへやってきたのはナマコ採りの漁民や真珠採りのダイバー、サトウキビ農場の労働者など少数の者だけだった。大戦後、オーストラリアで学んだり働いたりするインドネシア人はいたが、その数は顕著なものではなかった。1990年代半ば以降、インドネシアの政治経済状況の激変に伴い、多数の中国系インドネシア人が渡豪した。こんにちのインドネシア系住民は言語、宗教、エスニック・アイデンティティ、教育レベル、就業形態のいずれにおいても多様性を包含している。またその多くは、オーストラリアでの永住を目的とする従来型の移民というよりむしろ、トランスナショナルな移動生活者としての性格を強く有している。
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