近年の粗暴的非行の再検討 : 「いきなり型」・「普通の子」をどうみるか(II 自由論文)
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概要
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過去4半世紀の犯罪統計と,凶悪犯・租暴犯で補導された少年及びその担当警察職員に対する質問紙調査により得たデータ(n=728)を用いて,わが国における近年の凶悪・粗暴な非行について,「いきなり型」・「普通の子」という概念の妥当性を中心に検討した.分析の結果,主として以下の点が導き出された.(1)粗暴的な非行での検挙人員中に占める初犯者の割合が,近年増加しているとはいえない.(2)非行キャリアを重ねた者ほど,非行の悪質性は高い傾向がある.(3)家庭環境や社会的適応の状況と粗暴的非行との関係が,近年になって弱まっているとはいえない.以上より,少なくとも現時点においては,今日の粗暴的非行の特徴を,「いきなり型」や「普通の子」という概念を用いて説明することは,適切ではないと考えられる.
- 日本犯罪社会学会の論文
- 2005-10-18
著者
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