1986年生まれコホートの非行経歴 : Q県における非行記録にもとづく検討(III 研究ノート)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
大都市を擁するQ県の非行記録を用いて,1986年生まれコホートの非行経歴の分析を行った結果,以下のような知見が得られた.(1)16歳時点の累積実検挙者率は,男子で10%,女子で4%であり,男子では78年コホートに比べて非行の裾野が広がっているとはいえないが,女子では非行の裾野が広がっていると思われる.罪種別にみると,自転車盗・占有離脱物横領の実検挙者数が多い.(2)年齢別の実検挙者数でみると,ピークは男女とも15歳である.(3)総検挙回数の平均は,男子が1.5回,女子が1.3回である.男女とも,繰り返しの回数がピークに達するのは15歳である.(4)初回の検挙から48週以内に再検拳されるのは,再犯時の罪種を考慮しない場合,20%弱,同一罪種での再検挙だと6%程度である.凶悪犯・租暴犯やオートバイ盗で再犯率が高い.(5)罪種の特化傾向は,凶悪犯・粗暴犯で男女ともに比較的高く,オートバイ盗は女子で高い.また,区悪犯・粗暴犯の全体に占める割合でみるかぎり,非行の回次が進むにつれて,個人内で非行の深化が起きていると推定される.
- 日本犯罪社会学会の論文
- 2006-10-18
著者
関連論文
- 再非行の危険因子と保護因子 (特集 犯罪・非行研究の最前線(その2)犯罪社会学若手研究)
- 科学警察研究所の犯罪・非行研究--一人の研究者として見たその伝統と今後の方向性
- 犯罪の時空間集積性に関する検討 : 大都市圏における住宅対象侵入窃盗の分析
- 粗暴傾向を有する少年相談事例における保護者面接:保護者の態度変容のための効果的な働きかけについて
- 近年の粗暴的非行の再検討 : 「いきなり型」・「普通の子」をどうみるか(II 自由論文)
- 凶悪犯・粗暴犯で検挙・補導された少年の前兆的行動
- 声かけなどの不審者遭遇情報と性犯罪の時空間的近接性の分析
- 社会階層と少年非行--官庁統計と社会調査データに基づく一考察
- 縦断的データに基づく再非行化要因の検討--生存時間分析を用いて
- 非行発生の縦断的パターン : 2つの出生コホートの比較(犯罪・非行の量的・質的変化動向)
- 1986年生まれコホートの非行経歴 : Q県における非行記録にもとづく検討(III 研究ノート)
- 項目反応理論を用いた自己申告非行尺度の作成
- 東京23区における空巣の認知件数の軌跡分析 : セミパラメトリック混合ポアソンモデルによる検討(犯罪・非行の量的・質的変化動向)
- 保護司から見た保護観察のあるべき姿 (特集・社会内処遇に関する保護司の意識--「少年法研究会」報告)
- 第6回:教育研究創発機構公開研究会「日本の教育システム-教育の失敗-」(人文・社会科学振興のためのプロジェクト共催)(III.教育研究創発機構公開研究会・シンポジウム)
- 紙地図とGPSによる小学生児童の日常行動の測定
- 時刻と位置の連続記録から滞留場所と移動経路を抽出する時空間的アルゴリズムの開発
- ソーシャル・サポートと保護者による子どもの被害防止情報入手 : 社会的・文化的資源の検討
- 小学校児童の空間行動と犯罪被害に関する実証的研究 : 兵庫県神戸市の5つの小学校を事例に
- 犯罪ホットスポットの時間的安定性の検討 : ローカルな空間的自己相関を用いて
- 仮想市場評価法(CVM)による防犯対策の評価 : 小学生の日常生活と犯罪被害(4)(犯罪現象の行動計量2-マクロ・メゾ・ミクロの各視点から-)
- 4枚のスライド : わが国の地理的犯罪分析のルーツ
- 親子関係と子どもの「いじめ」
- 子どもの犯罪被害防止--現状を踏まえた「次の一手」のために (特集 子どもを犯罪から守る)
- パネルディスカッション 犯罪から子どもの命を守る (特集 第3回学校の安全・危機管理セミナー報告)
- 警察政策研究会 犯罪予防論の動向:発達的犯罪予防と状況的犯罪予防
- 地理的犯罪分析に関する研究動向(犯罪研究動向)
- 数値地図2500によるアドレスジオコーディング支援ツールの開発
- 政策形成における「理論」対「証拠」--警察と犯罪学者の協働
- 犯罪不安と被害リスク知覚 : その構造と形成要因(I 課題研究 日本の治安と犯罪対策-犯罪学からの提言)
- G4-4 ローカルな空間的自己相関を用いた犯罪多発地区の分析(一般セッション(G4) : 調査・データ)(第30回日本行動計量学会大会発表一覧)
- 犯罪不安と被害リスク知覚--その構造と形成要因 (課題研究 日本の治安と犯罪対策--犯罪学からの提言)
- 書評 谷岡一郎著(2004)『こうすれば犯罪は防げる--環境犯罪学入門』
- 「犯罪発生マップ」から地理的犯罪分析へ (コミュニティと安全)
- クライム・マッピング
- クライム・マッピング--地理的犯罪分析の現状と方向性(最終回)地理的犯罪分析の今後
- クライム・マッピング--地理的犯罪分析の現状と方向性(8)海外の最新動向
- 根拠に基づく犯罪予防(3・完)Evidence-Based Crime Prevention--議論や活動の現況とわれわれにとっての意味
- WWWによる犯罪地図の公開
- 数値地図2500を用いた街区代表点の算出
- CrimeStat2.0 による空間的自己相関の分析
- ローカルな空間的自己相関を用いた犯罪多発地区の分析(調査・データ)
- Moran's I 統計量による犯罪分布パターンの分析
- 犯罪リスクマップとGIS : 犯罪研究における探索的空間データ分析の試み
- 犯罪発生地点の集中度の分析 : 空間的自己相関を用いて
- 東京23区におけるひったくりの密度分布の推移:カーネル密度推定による分析
- 都市の空間構成と犯罪発生との関連--GISによる定量的分析
- 大都市における犯罪と社会経済要因の関連:方法の問題点とGISによる解決
- 根拠に基づく犯罪予防(2)Evidence-Based Crime Prevention--警察の犯罪予防活動に関する欧米での知見
- 根拠に基づく犯罪予防(1)"Evidence-Based Crime Prevention"考え方とその意義
- 都市の治安と犯罪地図 (特集 都市と犯罪)
- 実証的犯罪研究の最前線:アメリカ犯罪学会2002年大会から (特集 アメリカ犯罪学会)
- クライム・マッピング--地理的犯罪分析の現状と方向性(2)海外における取組み
- クライム・マッピング--地理的犯罪分析の現状と方向性(1)地理的犯罪分析の必要性と有効性
- 「地理情報システム」を活用した安全なまちづくり (特集 環境設計からの安全・安心まちづくり)
- 非行の繰り返しに伴う罪種の特化 : 警察記録に基づく一考察(犯罪現象の行動計量2-マクロ・メゾ・ミクロの各視点から-)
- 非行経歴にみる少年非行の現状 (特集 再スタート特集(2)非行少年、その現状と課題)
- 道徳教育のポリティクス(学校(5))
- いじめ問題に関する国際比較研究(研究発表IV IV-8部会 教育問題(3))
- GPSによる小学生児童の日常行動の測定 : 兵庫県神戸市の公立小学校を例にして
- 近接反復被害の罪種間比較 : 時空間K関数の応用
- GPSを用いた子どもの屋外行動の時空間特性の把握と大人による見守り活動の評価
- 公園における問題対応行動への意図と近隣住民への信頼感との関係
- 保護者による子どもに対する行動規制の要因と子どもの遊びへの影響に関する実証的研究 : 茨城県つくば市の一小学校を事例に
- 非行の縦断的パタ-ンの安定性と変動:2つのコ-ホ-トの比較
- 犯罪からの子どもの安全 : 日本の調査研究から(子どもの安全と健康,公開シンポジウムII,発表要旨)
- 少年院における教育・処遇の多様性と共通性 : 質問紙調査に基づく検討
- アメリカ犯罪学会2011年次大会に参加して(犯罪研究動向)
- 日本の大都市における犯罪発生の地理的分析
- カーネル密度推定に上る犯罪集中地区の検出の試み
- アメリカ犯罪学会における「継続と変化」
- インターネット個人利用者のためのネットワーク犯罪対策
- ライフコース論と犯罪対策 (特集 犯罪学の新動向と刑事政策)
- 犯罪・非行経歴の縦断的分析:研究動向と今後の課題
- 細井洋子・西村春夫・辰野文理編『住民主体の犯罪統制 : 日常における安全と自己管理』
- 地域安全情報システムのための住所照合ソフトウエアの設計
- 保護者による外出の規制と小学校児童の遊び経験 : 居住地による差(第17回大会ワークショップ・発表論文要旨)
- 住宅対象侵入事件の空間的伝播 : 高層集合住宅を中心に(第9回大会発表論文)