相模湾の深海産Janirella属(甲殻綱,等脚目,ミズムシ亜目)の2新種について
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概要
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1980年の初めに,白鳳丸(東京大学海洋研究所)によって行われた伊豆・小笠原海溝及び附近海域の生物学,地学及び海洋学に関する研究航海(1980年2月21日-3月10日;KH-80-1,leg.2)の折に,大型採泥器ボックス・コアラーによって伊豆大島東北沖のSta. S-1-1(34°52.1'N,139°28.2'E),水深1,678mの所から採集された底質中より得られた小形甲殻類のなかに,Janiridae科(淡水・海水産,35属余)に属するJanirella属(大西洋,太平洋の深海産,28種)の2種が含まれていた。これら2種は何れも学界未知の種類と考えられる。J. bicornis sp. nov.(幼雌,体長約2.5mm)は,J. macrura Birstein,1963(雌,11.5mm;北千島の東方沖,水深7,210-7,230m)に一見似ているが,本新種の額角先端には1対の大きな棘を有することなどで容易に区別され,J. rotundifrons sp. nov.(幼雌,2.2mm)は,J. magnifrons Menzies, 1962(雌(間性),3.2mm;南大西洋, 4,588m)に類似を示しているが,本新種では額角がmagnifronsのものよりも大きく,半楕円状を呈し,前方に突出しており,額角上に小顆粒を有するなどの点に相違がみられる。
- 1982-10-30
著者
-
蒲生 重男
Department of Biological Sciences, Graduate School of Science, The University of Tokyo
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蒲生 重男
Department Of Biology Faculty Of Education Yokohama National University
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