携帯電話コミュニケーションを考えるための考察 : 非連続的空間の拡大と可視化される人間関係
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概要
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我々は、携帯でコミュニケーションをとる子ども達の現状に不安を感じている。この不安を表現するものとして、携帯依存、ゲーム脳、仮想と現実の区別がつかない、など、さまざまな解釈がおこなわれてきた。しかし、ここ数年、急激な普及をすすめている携帯電話の利用状況を学生達の使い方からみていくと、決して、病理的なものがあるようには思えない。依存といっても薬物への依存のように、社会がなりたたなくなるようなものではなく、自動車や鉄道への依存と、同じようなものといっても差し支えない。また、仮想と現実の取り違えなどもない。にもかかわらず、心配が払拭されないのは、携帯電話やネットが、自我のありように影響を与えると直感されており、正体が見えないからである。そこで、本論では、携帯電話に代表される今日の情報通信機器によるコミュニケーションが、どのような関係の変容をもたらすのかを考察するために、この関係の成り立つ前提の変化に注目する。その上で、その変化(距離的連続性による空間の分節化がなりたたない状況)を概観し、考える視点を整理していく。
- 2006-03-23
著者
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