横浜市における幼児教育の実態
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概要
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1)横浜市における幼児教育の実態を握把するための基礎資料として,現在幼児はどのような教育的働きかけに接しているのか,母親や教師は幼児教育の目標をどう考えているかについて質問紙法による調査をおこなった。被調査者は横浜市内に住む1歳から6歳までの幼児をもっている母親,幼稚園教師,幼稚園へ教師として就職することが決定している保育専門学校学生である。調査は昭和51年9月から52年3月にかけておこなわれた。2)4歳以上の幼児の大部分は,幼稚園か保育所に通園していた。6歳児の過半数が,いわゆる「おけいこごと」にかよっている。「おけいこごと」をしていない幼児の母親の大半は,将来「おけいこごと」をさせたいと考えている。テレビの幼児教育番組をみている幼児は,非常に多い。3)幼稚園の役割についての認識には,母親と教師のあいだにはかなりのずれがある。母親は幼稚園でも,文字や数の学習に対する積極的な指導を望んでいる。これに対し,教師は幼稚園の主たる役割は集団生活をとおして社会性を発達させることと考えている。4)幼児教育における母親と教師の役割についても,母親と教師のあいだにはずれがある。これらのずれは,母親の幼児教育や幼稚園教育に対する知識の不足,教師が自己の役割を明確に把握していないところから生じていると思われる。母親はこのずれから生ずる不安を,「おけいこごと」をやらせることによっに解消しようとしている。今後,効果的,能率的な幼児教育をおこなうためには,このずれを小さくしていかねばならない。
- 1977-11-30
著者
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