肝細胞癌に対するラジオ波焼灼療法後の局所再発予測因子についての検討

概要

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肝細胞癌(HCC)に対する経皮的ラジオ波焼灼療法(RFA)後の局所再発因子について検討した.対象はHCC43例,45結節,平均年齢66.5±10.3歳,男性29例,女性14例であった.病因はHBV4例,HCV38例,原因不明1例.平均腫瘍径は2.2±0.7(1.0〜4.5)cm,単発例が14例,多発例が29例であった.RFA単独治療群が20結節,他の内科的治療併用群が25結節.治療後にダイナミックCTを施行し,遺残なしと判定された結節について多変量解析にて局所再発因子を検討した.局所再発率の算出にはKaplan-Meier法を用いた.効果判定のCTは43例45結節中,腎不全合併例2例2結節を除く43結節に施行し,39結節(90.7%)が遺残なしと判定された.遺残が疑われた4例は,他疾患合併などの理由から追加治療は施行されなかった.遺残なし群(39例)の1年,2年,3年の局所再発率は,20.5%,27.5%,27.5%,これらのうち単発例14結節の局所再発率は1,2,3年ともに16.3%であった.39例における多変量解析の結果,年齢,性差,腫瘍径,臨床病期,併用療法の有無,治療前のAFP値はいずれも統計学的には局所再発に寄与せず,治療前のPIVKA-II値のみに統計学的な有意差を認め,HCCの局所再発への関与が示唆された.
獨協医科大学の論文
2005-10-25