ソテツ葉ならびにサイカシン投与山羊における第一胃内容物内の揮発性脂肪酸の動態に関する研究
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概要
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ソテツ葉ならびにその有毒配糖体サイカシンの, 反芻動物の消化作用, 特に第一胃内消化に及ぼす影響を知る目的で, rumen fistulaを装着した山羊を用いて, ソテツ葉あるいはサイカシン投与後に起こる第一胃内容物中の揮発性脂肪酸(VFAs)の動態を検索した.また, 臨床的, 血液学的, 血液生化学及び病理学的検索を併せ行った.ソテツ葉あるいはサイカシンの投与は, VFAs構成分画の種類には影響を及ぼさなかったが, VFAs総濃度を顕著に低下させ, 加えてVFAs総濃度の2峰性日内変動性を消失させた.また, 朝の給飼前におけるプロピオン酸と正酪酸の濃度比を逆転させた.そして, VFAs総濃度の低下に伴って, 第一胃内容物のpHは上昇し, 投与前に, 両者間にみられた負の相関が消失した.血液生化学的には, GOTとγ-GTPが著しく上昇し, 肝臓における病変の程度と一致した.以上の結果から, ソテツ葉あるいはサイカシンの投与は, 山羊の第一胃内炭水化物代謝機構に, 極めて抑制的に作用することが示された.
- 鹿児島大学の論文
- 1990-03-15
著者
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