管水路における自動減圧弁の応答動作と圧力脈動
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概要
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自動減圧弁の過渡応答に伴う圧力変動および自励振動現象とその発生機構について数理モデルを用いて解明を試みた.その結果次のように要約される.1.流況変更に対する減圧弁の応答感度は, ニードル弁の開度によって大きく異なり, 特に減圧弁が閉方向に作動する場合に, その傾向が顕著になる.減圧弁が閉方向に作動するような流況変更に際し, 減圧弁を過敏に応答するように設定した場合には過大な圧力変動を誘発する.また応答感度を鈍く設定した場合には, 急激な流況変化に対して圧力調整に時間遅れが生じる.2.過渡現象時に系内に発生する圧力変動の卓越振動周期は, 減圧弁上流側管路の固有周期に近い値となるが, 減圧弁の応答遅れによって, これより幾分長くなる.3.減圧弁の動きに1/4周期の応答遅れが生じる場合に, 減圧弁の動きが最も促進され, その結果, 系内の圧力変動が助長される.また, 圧力変動に対する減圧弁の追従的な応答によって管路系内に形成される圧力脈動の卓越周期が(53)式で与えられる周期付近の場合に, 減圧弁の動きに最も大きな振動を誘起する.さらに, 流況変更後の減圧弁の追従的な挙動によって系内に付加されるエネルギーが, 系内で消失されるエネルギーを上回る場合には自励振動現象を発生する.4.減圧弁の自励振動現象発生要素として特に大きなものは, 減圧弁を含む管路のレイアウト, 流況変更後の管内流速および減圧弁の設定応答感度である.
- 鹿児島大学の論文
- 1989-03-15
著者
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