低蛋白食及び運動習慣が膵外分泌機能に及ぼす影響

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本研究では、低蛋白食と持久的運動の両習慣が膵外分泌項目(膵重量、膵蛋白含量、膵腺房細胞の微細構造)に与える影響について検討した。5週齢のF344雌ラット23例を1週間の予備飼育後に、通常蛋白食(蛋白組成30%)と低蛋白食(同5%)に分け、さらにトレッドミル走による運動習慣(35m/分、60分間、5日/週)の有無で、通常蛋白安静コントロール(C)群5例、通常蛋白トレーニング(T)群6例、低蛋白安静コントロール(LPC)群6例、低蛋白トレーニング(LPT)群6例に4群別した。LPC群の体重、骨格筋重量、肝重量はC群に比較して有意に低値を示した。一方、腹腔内脂肪組織重量、心重量には低蛋白食の影響は認められなかった。T群はC群に比較して、LPT群はLPC群に比較して、骨格筋、肝重量は有意に高く、脂肪組織重量は有意に低く、トレーニングの影響が認められた。膵重量、膵蛋白含量は低蛋白食の影響は認められず、LPC群はC群と同様の値であった。また、電子顕微鏡写真像による膵腺房細胞の微細構造についても低蛋白食の影響は認められなかった。膵へのトレーニングの影響は通常蛋白食では明らかに認められた。T群の膵重量、膵蛋白含量はC群に比較して有意に高く、膵腺房細胞においても細胞の肥大、zymogen顆粒の増加が観察された。しかし、低蛋白食ラットではこれらのトレーニング効果は認められなかった。膵重量、膵蛋白含量にLPC群とLPT群に差は認められず、LPT群ラットの膵腺房細胞の大きさやzymogen顆粒の大きさや数はC、LPC群ラットと同様であった。以上の結果から、持久的運動習慣による膵外分泌機能亢進は低蛋白栄養条件では出現しない可能性が示され、膵外分泌機能亢進のための運動処方の際には、蛋白質栄養の充足が不可欠であることが明確となった。
和洋女子大学の論文
2003-03-31

低蛋白食及び運動習慣が膵外分泌機能に及ぼす影響

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