n-3系多価不飽和脂肪酸の経口補給が若年成人女性の有酸素能力に及ぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
n-3系多価不飽和脂肪酸の補足は, 血液レオロジーを改善させ, 末梢における酸素運搬能を高めると考えられている.本研究では, n-3系多価不飽和脂肪酸摂取が若年成人女性の有酸素能力に及ぼす影響を検討するために, 運動習慣のない女子大学生を対象に, n-3系多価不飽和脂肪酸であるα-リノレン酸を多く含有するしそ油を20g/日(n-3系多価不飽和脂肪酸として約11g/日)摂取する群(PUFA-C群)と, 同様にしそ油を摂取し, さらに自転車運動による有酸素トレーニング(強度 : 60% of V^^.O_2max, 時間 : 30分, 頻度 : 4回/週)を行うPUFA-T群の2群別して4週間の介入実験を実施し, 以下の結果が得られた.1.最大酸素摂取量, 換気性無酸素性作業閾値は, PUFA-C群とPUFA-T群ともに介入によって有意(p<0.05)に増加したが, PUFA-C群におけるこれらの増加度はPUFA-T群の増加度に比較して少なかった.2.持久的運動遂行時間は, PUFA-T群のみ有意に増加した.3.介入終了2ヶ月後には, 得られた介入効果が両群とも消失していく傾向が認められた.4.PUFA-T群では, 介入終了2ヶ月後の最大酸素摂取量と換気性無酸素性作業閾値が介入前値に比較して有意に高い値を維持していたが, PUFA-C群では, 介入2ヶ月後には介入前値と同等の値に戻っていた.以上の結果から, n-3系多価不飽和脂肪酸(α-リノレン酸)の経口補給によって有酸素トレーニングと同様の有酸素能力に対する効果が得られることが示唆された.しかし, その効果の大きさや介入終了後の持続性は, 有酸素トレーニングに比較すると小さいと推察された.
- 日本体力医学会の論文
- 2005-04-01
著者
-
小林 修平
和洋女子大学
-
矢野 博己
川崎医療福祉大学
-
湊 久美子
和洋女子大学
-
北村 裕美
和洋女子大学
-
小林 修平
和洋女子大学栄養学
-
矢野 博己
川崎医療福祉大学 健康体育
-
矢野 博己
川崎医療福祉大学医療技術学部
-
松嵜 裕美
和洋女子大学
-
中嶋 英昭
和洋女子大学運動生理学
-
中嶋 英昭
和洋女子大
-
中嶋 英昭
和洋女大
-
北村 裕美
和洋女子大学運動生理学研究室
関連論文
- るいそうに関する実態調査と今後の対策 : プロジェクトチームの結成(予報)
- 女子大学生の糖代謝能関連諸健康指標値に及ぼすしそ油摂取と有酸素運動トレーニングの影響
- 実学としてのスポーツ医学の役割と21世紀への要望
- 181.水中歩行運動時の粘性抵抗と歩行速度の違いが酸素摂取量と心拍数に及ぼす影響
- 女子大学生の日常歩行習慣
- 9.女子新体操選手における牛乳摂取タイミングの違いと貧血発現(第121回日本体力医学会関東地方会)
- 持久的トレーニングがラットのコレシストキニン(CCK)刺激膵外分泌に及ぼす影響
- ラット疲労困憊運動後のTNF-α産生能におよぼす高炭水化物食摂取の影響
- 市川市の働き盛り世代の生活習慣に関する研究 : 市川市受託研究活動報告
- 単球/マクロファージ・TLRs研究の可能性(シンポジウム2:運動・身体活動の指標としての免疫)
- 自発的運動負荷はKupffer細胞の免疫機能を亢進させる
- 免疫から学ぶ我々の生存戦略とは(川崎医療福祉学会第36回研究集会(講演会)遺伝と多様性)
- 202. グラム陰性菌とグラム陽性菌とでは感染時の身体活動性への影響が異なる(血液・免疫,一般口演,第63回日本体力医学会大会)
- 208. ウイルス感染モデルとしてのR848投与によるマウス身体活動性の変化(血液・免疫,一般口演,第63回日本体力医学会大会)
- 204. LPS刺激に対するTNF-α応答性低下におよぼすアドレナリンの影響(血液・免疫,一般口演,第63回日本体力医学会大会)
- 209. グルココルチコイドがマクロファージMFG-E8産生に及ぼす影響(血液・免疫,一般口演,第63回日本体力医学会大会)
- 203. 疲労困態運動がpoly I:C誘導性TNF-α及びIFN-β産生に及ぼす影響(血液・免疫,一般口演,第63回日本体力医学会大会)
- 運動と免疫の最近の研究 : Toll様受容体の観点から(シンポジウム8:運動と免疫の最近の研究)
- 174. マクロファージTLR2及びTLR4発現に及ぼす急性運動の影響(血液・免疫,第62回日本体力医学会大会)
- 170. 疲労困憊運動後LPS投与による各組織TNF-α mRNA発現量の比較(血液・免疫,第62回日本体力医学会大会)
- 167. 骨格筋細胞におけるLPS由来の一酸化窒素産生はCD14によって調節される(血液・免疫,第62回日本体力医学会大会)
- 165. βブロッカー投与はLPSに対する高強度運動後のTNF-α低応答性を抑制する(血液・免疫,第62回日本体力医学会大会)
- 162. LPS依存性身体活動低下機序におよぼす可溶性CD14の影響(血液・免疫,第62回日本体力医学会大会)
- 運動の免疫抑制機構に関する基礎的研究(川崎医療福祉学会第31回研究集会)
- アナフィラキシー発症とそのメカニズム : マウスアナフィラキシーモデルを用いた検討
- 社会福祉の倫理 : 社会福祉共同体倫理から(医療福祉学展望)
- 191. 乳酸刺激が骨格筋細胞のiNOS mRNA発現に与える影響(血液・免疫, 第61回 日本体力医学会大会)
- 188. Poly I : C投与がマウス自発運動量に及ぼす影響(血液・免疫, 第61回 日本体力医学会大会)
- 187. 運動強度の違いがLPS投与によるTNF-α応答におよぼす影響(血液・免疫, 第61回 日本体力医学会大会)
- 186. LPS依存性身体活動低下機序におよぼすIMおよびPFの影響(血液・免疫, 第61回 日本体力医学会大会)
- 小麦タンパク質とアレルギー : 小麦依存性運動誘発アナフィラキシーに注目して
- 179.LPS曝露が抗原特異的抗体産生に及ぼす影響(血液・免疫,一般口演,第60回 日本体力医学会大会)
- 173.グルコース摂取は運動後のLPS投与に対するTNF-α産生に影響しない(血液・免疫,一般口演,第60回 日本体力医学会大会)
- 1.実習「小動物における全身持久力の測定」(第54回日本体力医学会中国・四国地方会)
- 全国の小・中学校および高等学校の遠泳実施状況調査
- 衛生仮説と運動 : 運動はアレルギーを抑制できるのか
- 自発運動量には影響しないP. acnes 死菌投与がマクロファージTLR4発現誘導に及ぼす影響(血液・免疫, 第59回日本体力医学会大会)
- 高炭水化物食が疲労困憊運動後のLPS刺激に対するTNF-α産生および疲労回復におよぼす影響(血液・免疫, 第59回日本体力医学会大会)
- 一般大学生を対象としたスポーツ活動習慣の有無と免疫関連に関する意識調査(血液・免疫, 第59回日本体力医学会大会)
- P.acnesおよび水浸拘束ストレスが自発運動量の回復と肝障害におよぼす影響
- 380. 高炭水化物食がラット疲労困憊運動に伴うTNF-α産生抑制におよぼす影響(血液・免疫)
- 378. Kupffer細胞一酸化窒素産生におよぼす乳酸の影響(血液・免疫)
- 377. 自発運動に影響しないP.acnes死菌投与がマクロファージLPS受容体CD14に及ぼす影響(血液・免疫)
- 運動はアレルゲンを吸収しやすくさせる? : 実験動物モデル系を確立し食餌依存性運動誘発アナフィラキシーの解明に期待
- 深夜勤務従事者の運動・スポーツ活動と健康に関する実態調査
- メカニズムをさぐる : II マクロファージ
- Kupffer細胞-酸化窒素産生におよぼす乳酸の影響
- ラット肝腫瘍壊死因子(TNF)-α発現におよぼす急性運動の影響
- マクロファージからみた防衛体力
- 大学生を対象とした水泳実習の安全対策について
- 中年女性の健康度とスポーツ活動及び日常生活活動
- 488.水中トレッドミル歩行における血圧の変化
- 3. 市川市における働き盛り世代の運動行動と健康度について(一般口演,第142回日本体力医学会関東地方会)
- 112. 成長期男子の定期的スポーツ活動と骨量との関係(運動器, 第61回 日本体力医学会大会)
- 111. 女子大学生の骨量変化に及ぼす生活習慣と食習慣の影響(運動器, 第61回 日本体力医学会大会)
- 110. 痩身志向***の骨量指標の特性(運動器, 第61回 日本体力医学会大会)
- 中高年女性の運動習慣に影響する要因の検討
- 103.自発運動が低カルシウム食摂取成長期ラットの脛骨骨量に及ぼす影響(運動器,一般口演,第60回 日本体力医学会大会)
- n-3系多価不飽和脂肪酸の経口補給が若年成人女性の有酸素能力に及ぼす影響
- 加負荷式自発運動による骨格筋適応の特徴(運動器, 第59回日本体力医学会大会)
- 317. しそ油摂取と有酸素運動実施が呼吸循環器系機能に及ぼす影響(呼吸・循環)
- 126. 若年女性における年間踵骨QUS指標変化(運動器,一般口演,第63回日本体力医学会大会)
- 運動・スポーツにおけるビタミンの役割と代謝 (スポーツ栄養・食事ガイド--競技力向上とコンディショニングのためのスポ-ツ栄養学) -- (栄養・食事と運動--スポーツ医科学からみたその基礎的関係)
- 発育期の運動習慣がそれ以降の時期における運動機能にどのような影響を与えているか? : 発育期の運動習慣が身体に与える影響
- 12.女子体操選手における減量中の体内貯蔵鉄と食習慣改善に及ぼす牛乳摂取の影響(英文誌JOURNAL OF NUTRITIONAL SCIENCE AND VITAMINOLOGY Vol.48, No.5)
- 国際武道大学生の栄養摂取の現状と食生活改善に関する研究 : 男女柔道アスリートの栄養摂取・減量の現状と栄養教育の効果
- 120.ウルトラマラソンに関する研究(その4)
- 119.ウルトラマラソンに関する研究(その3)
- "第47回日本栄養改善学会学術総会"について
- 125.骨の発達に及ぼす蛋白摂取量と習慣的運動の影響(【運動器】)
- 微量栄養素の摂取傾向改善に向けた健康管理支援ソフトウェアの改良とその評価
- 下腿部電気インピーダンスを用いたランニング動作の検討
- 294. 大学生男子長距離選手の栄養摂取状況と栄養教育の影響(栄養・消化,一般口演,第63回日本体力医学会大会)
- フルマラソンが肝機能に及ぼす影響
- 運重加寺肝門脈血流量におよぼす門脈本幹断面積と血流速度の影響
- 40.運動時のヒト肝門脈血流動態
- 持久的トレーニングによるラット肝ミトコンドリアの形態的変化
- 発育期以降から始めた運動の実施が生体にどのような影響を与えるか : 発育期との比較
- 発育期の運動習慣がそれ以降の時期における運動機能にどのような影響を与えているか : 組織重量及び骨格筋代謝特性との関係
- 遠泳実習を目的とした水泳授業における体脂肪率と体温変化との関係
- 25.電気刺激による筋収縮がmuscle glycogen repletionにどのように影響するか : ストレプトゾトシン投与ラットを用いて
- 自覚症状から見た大学生の水泳実習期間の疲労状況
- 女子学生の呼吸循環器系機能の応答
- 女子大学生の栄養摂取状況と生活活動状況
- 骨格筋収縮後の筋グリコーゲン回復に及ぼす高血糖の影響
- 194.ストレス後の自発運動量回復とKupffer細胞プライミングの解離(【血液・免疫】)
- 低強度運動は摂食後の肝門脈血流増加を抑制しない
- 361.自発的運動習慣がKupffer細胞貪喰能におよぼす影響
- 自発的運動習慣が膵酵素活性及び膵腺房細胞に及ぼす影響
- 電磁血流計の半恒久的埋込により測定し得た肝門脈血流量に及ぼす運動強度の影響
- 153. 中高年女性の健康度とスポーツ活動及び日常生活活動(生活・健康)
- 簡易消費カロリー測定器を用いた女子大学生の日常生活活動量の評価
- 特集 運動・スポーツ医学における疫学面からのアプローチ
- スポーツ医学におけるエネルギーの代謝研究の重要性
- 運動とエネルギー代謝における近年の進歩
- 運動と栄養, 食事, 飲料
- 第6次改訂日本人の栄養所要量 : 食事摂取基準の特徴
- 第六次改定日本人の栄養所要量 : 食事摂取基準
- サプリメントの現状エルゴジェニックエイドの現状
- 特集 : 体脂肪と運動をめぐって