報酬は内発的動機づけを低めるのか
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
報酬は報酬が与えられた行動に対する内発的動機づけを低めるので,報酬を用いた教育は避けるべきである,という考えが,小,中学校の教師や,教職志望の学生の間で広まっているようである。しかしながら,これまでの研究は,内発的動機づけに及ぼす報酬の有害効果は,極めて限定された条件下でしか生じないことを明らかにしている。本稿ではその代表的研究を紹介した上で,いくつかの条件が満たされたとき,報酬は,その報酬が与えられた行動への内発的動機づけを低めるが,かなり特殊な状況でなければ,実際の教育場面でこれらの前提条件が満たされることはないと結論した。
- 大阪教育大学の論文
- 2006-02-28
著者
-
大河 浩人
大阪教育大学教育学部
-
松本 明生
北里大学獣医畜産学部学生相談室
-
松本 明生
北里大学獣医学部
-
桑原 正修
駒澤大学
-
桑原 正修
大阪教育大学
-
大河内 浩人
学校教育講座
-
柴崎 全弘
名古屋大学
-
高橋 美保
阪南福祉事業会情緒障害児短期治療施設あゆみの丘
-
大河内 浩人
大阪教育大学
関連論文
- P2-13 セッション内履歴効果の実験的分析(2)(ポスター発表2)
- P2-31 信頼と裏切りの実験的研究(ポスター発表2)
- P2-30 セッション内履歴効果の実験的分析(ポスター発表2)
- P1-5 愛他的行動の実験的分析に関する予備的検討(ポスター発表1)
- 行動分析の科学をビジネスへの応用に翻訳する : 良い面、悪い面、醜い面(Duckling)(自主公開講座2,第23回年次大会)
- P1-45 自己教示を用いたアクセプタンスの獲得は可能か? : 社会不安傾向者を対象とした自己教示による介入に関する予備的研究
- 「刺激等価性」から等価関係へ(招待講演)
- 読む 臨床家のためのこの1冊(44)"Behavior Modification in Applied Settings" Alan E. Kazdin
- 臨床心理学の最新知見(第42回)機能分析心理療法と心理療法の統合
- 刺激等価性の成立におけるネーミング訓練と比較ノード訓練の機能
- P2-06 "私的出来事"の実験的分析(ポスター発表2)
- 確率による報酬の価値割引--現実場面と仮想場面の比較
- 単位制高校におけるアサーション授業の試み
- 人間のスケジュールパフォーマンスに及ぼす遠隔履歴効果
- 報酬は内発的動機づけを低めるのか
- P-35 "反応"等価性(2) : 反応トポグラフィの相違と新奇な行動連鎖の成立(ポスター発表2,第23回年次大会)
- P-03 人間のスケジュールパフォーマンスに及ぼす遠隔履歴効果 : Freeman & Lattal (1992)の個体内比較法を用いた実験的分析(ポスター発表1,第23回年次大会)
- 行動研究装置の進化(大会企画シンポジウム,第23回年次大会)
- 自己教示による痛みの制御に及ぼす社会的基準設定の影響 : Hayes & Wolf (1984)の再検討
- 大学生のエイズに関する知識と態度との関連--1994年と2002年の比較調査から
- P-07 "反応"等価性 : 刺激等価性パラダイムを用いた新奇な反応連鎖の形成 (ポスター発表1)
- 列車到着間隔と乗車行動 : 日常行動の分析
- PI-39 大学生の授業出席行動に及ぼす自己記録の効果(ポスター発表I)
- PII-24 インターネットを利用した読書行動のセルフコントロールとソーシャルコントロール(ポスター発表II)
- ボクらの時代 : 行動分析学よろず座談会(トークセッション)
- P1-04 ニホンザルにおける恐怖関連刺激の視覚探索2 : グレー・スケール写真を用いた検討(日本動物心理学会第68回大会発表要旨)
- 反応コスト及び時間が刺激の選好に及ぼす効果
- OA-02 ニホンザルにおける恐怖関連刺激の視覚探索(日本動物心理学会第67回大会発表要旨)
- OC-03 反応コストの違いがニホンザルの選好に及ぼす効果(日本動物心理学会第66回大会発表要旨)
- 反応コストが図形刺激の選好に及ぼす効果
- OA-07 ニホンザルにおけるブロッキング現象の検討(日本動物心理学会第65回大会発表要旨)
- ルール支配行動:教示・自己ルールとスケジュールパフォーマンスの機能的関係(人間行動の実験的分析)
- 列車到着間隔と乗車行動 : 日常行動の分析
- 言語-非言語行動の連鎖への分化強化による自己教示性制御の成立
- FIスケジュールパフォーマンスに及ぼす言行一致・不一致履歴の影響 (III)
- 行動の連鎖 : 言行一致の実験的分析
- 恐怖関連刺激の視覚探索--ヘビはクモより注意を引く
- イモリにおける部分強化学習と消去抵抗
- 刺激性制御研究の未来を探る
- もうひとつの「進化論的アプローチ」(標的論文(後藤・牛谷,2008)に対する意見,第二部 誌上討論,動物心理学における比較の意義の再検討)
- OA-02 両生類(イモリ)における学習と情動(日本動物心理学会第65回大会発表要旨)
- 5 学校で求められる心の専門家 : 学校心理士の独自性と専門性(準備委員会企画シンポジウム)
- 大学4年生の心理相談
- 標的論文(後藤・牛谷, 2008)に対する意見 : (下記著者による意見論文13本)
- 反応コスト及び時間が刺激の選好に及ぼす効果
- P-25 遅延と努力のdiscounting function
- 人間のスケジュールパフォーマンスに及ぼす遠隔履歴効果
- 行動分析と心理療法 (特集 行動分析学で広がる心理臨床)
- 日本語版Acceptance and Action Questionnaire(AAQ)の作成 : 信頼性と妥当性および心理的不適応との関連の検討
- 看護学生を対象としたストレスマネジメント教育の効果の検討
- 確率による報酬の価値割引--現実場面と仮想場面の比較
- 単位制高校におけるアサーション授業の試み
- 行動分析学のさらなる発展のために : さまざまな介入場面から考えられること(大会企画シンポジウム(一般公開))
- 許可の随伴性・阻止の随伴性・ルール支配行動 : 青年・成人臨床事例からの再考(自主企画シンポジウムIII)
- PA032 対人葛藤場面における幼児の交渉方略 : 交渉過程の特徴を捉える分類の試み(ポスター発表A,研究発表)
- P1A-17 非適応的な排尿行動を学習した自閉症男児に対する行動修正の試み : 母親へのコンサルテーションと相談室訓練を並行実施した一事例(ポスター発表1(発達障害・育児・親指導),人間科学としての行動療法の展開)
- 行動履歴 : 実験的行動分析の1つの展開(準備委員会企画シンポジウム-02,人間科学としての行動療法の展開)