花粉化石の明度変化からみた堆積岩の続成作用 : 基礎試錐「小国」の例(<特集>堆積盆の熱履歴を探る(その1))
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概要
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新潟堆積盆地南部に掘削された基礎試錐「小国」から採取した14試料について,花粉の明度(stTAI)とビトリナイト反射率(Ro)を測定した.試料の深度が深くなるにつれ,stTAIは減少し,Roは増大する.これらの変化は,今までに報告されてきた続成作用にともなうstTAIとRoの変化とよく調和するものである.stTAIとRoの相関を調べると,基礎試錐「小国」における変化経路は,一般に認められてきた熟成経路とわずかではあるがずれる.その原因としては,Roに抑制が働いた可能性がある.基礎試錐「小国」の堆積物はほとんどが海成層である.海成堆積物に含まれるビトリナイトは水素含有量が高く,その影響で反射率が低めに抑制される事例が報告されている.石油生成深度をstTAIとRoから別々に推定すると,両者間に3500mの大きな差が存在する.その原因は,Roの抑制か,古い地層中の花粉が誘導化石として混入したかであるが,現状で判断することは困難である.多種マセラル蛍光変質測定法(FAMM)等でRoの抑制効果を測定すれば,原因は特定できるであろう.
- 2005-05-25
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