有機相からみた古環境 : 津軽半島新第三系の場合
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概要
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ビジュアル・ケロジェン分析法により得られる有機組成は, 堆積環境に影響され, 続成作用や埋没変成作用などの堆積後の過程にほとんど影響されない。したがって, ビジュアル・ケロジェン法は, 古環境推定に役立つ。津軽半島付近に分布する新第三系の古環境変遷史を, 堆積岩中のビジュアル・ケロジェン組成から推定した。新第三紀の海は, 磯松層の堆積時(18 Ma頃)に津軽半島の北西部, 小泊半島付近にまず侵入した。この海侵は, 小泊層の堆積完了時(8 Ma頃)まで引き続き進行し, そして海退へと移り変わった。しかし, 津軽半島の西方から南西方にかけては, これらと同様の地質現象が数百万年程遅れて起こっている。以上のように推定した地史は, 津軽堆積盆の新第三系に関して, 今までに報告されている古生物学的及び堆積学的データにより支持される。
- 日本地質学会の論文
- 1992-03-15
著者
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